こんにちは、PyQチームです。
2023年10月7日にDjangoの国内イベント「DjangoCongress JP 2023」が開催されました。
発表を行った弊社メンバーに発表の内容を聞いてきました。
また、一般参加したメンバーに当日の様子をインタビューしてきました。こちらも併せて紹介します。
DjangoCongress JPとは
DjangoCongress JPは日本で開催されるDjango Webフレームワークのカンファレンスです。 参加するすべての人がDjangoについて交流し、出会い、学び、楽しみ、深い理解を得ることを目的に開催されています。
DjangoCongress JPならではの魅力について、主催者のhirokikyさんから過去のインタビューで「他のイベントでは聞けないDjangoの発表やWebに出にくい内容の発表を用意したいと考えています」とお答えいただいています。
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DjangoCongress JP 2023
今回は2023年10月7日に開催されました。
オフライン参加のみでの開催です。 LIVE配信はありませんでしたが、当日の様子は撮影されており、後日webに掲載される予定です。
毎年YouTubeの「DjangoCongress JPチャンネル」に公開されているので、掲載されるのをお待ちください。
会場は東京都中央区にあるサイボウズ株式会社です。
djangocongress.jp
受付と会場の様子
DjangoCongress JP 2023で発表した弊社メンバーにお話を聞いて来ました
まずは、当日発表を行った弊社メンバーのお話を紹介します。
「Djangoアプリケーション運用のリアル:問題発生から可視化、最適化への道」 吉田 花春さんの発表
最初に、「Djangoアプリケーション運用のリアル:問題発生から可視化、最適化への道」というテーマで発表した吉田花春さん(kashew(@kashew_nuts))にお話を聞いていきます。
吉田 花春
最近発表していないなとぼんやり思っていた頃に、DjangoMeetupTokyoというイベントが久しぶりに開催されるのを知ったので「ここでCfPを書いて出すしかない!」と思って行動しました。
なるほど、吉田さんには以前、PyCon Kyushu in Okinawa 2019 の時にもイベントインタビューを受けていただいて、発表の様子も教えてもらいました。今回はそれから約4年と、久々の発表だったのですね。
PyCon Kyushu in Okinawa 2019のイベントインタビュー記事
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吉田 花春
過去のプロジェクトでアプリケーションの開発が完了し、リリースをしたのですが不具合対応で土日出勤した経験がありました。それが一段落した後も調査するための材料が足りなくて、調査に時間がかかることがありました。
時が経って現在のチームに移り、改善する中で見えることもありましたが、まとめたりはしていませんでした。過去の自分や、似通った経験をしている人たちに向けて、参考になればと思いこのテーマを選びました。
なるほど、過去の経験から、改善したことをまとめて発表しようと思って決めたテーマだったのですね。実際の発表内容も教えていただけますか?
吉田 花春
アプリケーションを運用していると、システムエラー発生時の原因特定の困難さや、突然のリソース使用率上昇や調査するための準備で時間がかかる、アラートが多くて開発の時間が取れないなど様々な課題に直面します。
これらの課題を解決するために「可観測性(オブザーバビリティ)」を高める取り組みを実施しました。
本発表では実際に取り組んだことを共有し、日常業務の負荷を削減して、サービスの改善に専念できるようになった内容について、お話させていただきました。
サービスの改善に専念できるようになったという内容は、みなさんが知りたい情報だったでしょうね。実際、発表に挑んでみてどうでした?
吉田 花春
(順番が)一発目の発表だったので、アクシデントがあったらどうしよう、と思ってドキドキしていたのですが、スタッフの方々のお心遣いで事前の接続チェックができたり、登壇中も聴講してくださった方々が頷きながら聞いてくださるのが見えたので、安心して時間いっぱいお話できて楽しかったです。
それはよかったです。やはり、聞いてくださる方のお顔を見ながら発表できるのは楽しいですよね。
「Djangoを仕事で使っていくために学んだこと」 二部野 達哉さんの発表
次に、「Djangoを仕事で使っていくために学んだこと」というテーマで発表した二部野 達哉さんにお話を聞いていきます。
二部野 達哉
1番の理由は元々カンファレンスで登壇してみたい、という憧れの気持ちがあったからです。当時はまだ全然発表できるネタが無いな…と思っていましたが、会社の先輩から「まず出しちゃおうよ!」と後押しをもらいCfPを提出しました。それまでは「もう少しDjangoに詳しくなってから…」と言う気持ちがありましたが、その言葉をきっかけに「今が一番Djangoに詳しくない時期だからこそ話せることもあるかな」と思うようになりました。
先輩からの後押しがあったのですね。カンファレンスでの登壇に憧れがあったというのも、迷われた理由だったのかもしれません。「今が一番詳しくない時期だからこそ話せる」とのことですが、どんなテーマを選ばれたのか気になります!テーマを選んだ理由を教えてください。
二部野 達哉
後押ししてもらった時に出してもらったアイデアを基にしてテーマを選びました。
そこで、自分が疑問に思ったことや知らなかったことを中心に調べてみた内容を発表しようと決めました。
疑問や知らなかったことが中心という内容は、Djangoを触り始めた人に刺さりそうですね。発表の内容を教えてもらえますか?
二部野 達哉
自分の体験談を中心に各ストーリーを展開しました。最初は発表のネタ探しのために、毎日Djangoのリファレンスを読んでネタ探しに努めていました。最終的には「〇〇先輩から教わったことだな…」と、教えていただいた内容が中心になっており、周りの方に助けてもらったお陰だと感じています。 実は体験談の中には先輩と後輩の会話形式のスライドが多数出てくるのですが、それも先輩からいただいたアドバイスだったので、ここまで教えてくださった先輩方・登壇をフォローしてくださった先輩方にとても感謝しています。
発表内容にも先輩との会話形式が出てくるなんて、先輩の存在が大きかったのだとよく分かります。周りの人に助けられてできあがった内容、というのも、今回の発表テーマに奥行きが出るエピソードでした。発表の際に感じたことも教えてください。
二部野 達哉
オフラインで登壇の機会が少なく、最初にマイクを用意された時に「そうだ、オフラインだからマイクが必要なのか…」と内心思いました。ですが、喋る内容は事前にスピーカーノートに書き起こしていたので、大きな問題なく進めることができました。次に登壇するときは、もう少しDjangoの中身を深掘りをした内容や、別の方向性で発表できるようにしたいと思っています。
大きな問題もなく進められたとのことで、本当によかったです。また登壇に挑戦した際は、ぜひお話を聞かせてください。二部野さん、お話ありがとうございました。
「GraphQLライブラリStrawberryのDjangoプロジェクトへの適用事例: 実践から学ぶヒントと戦略」 Miyashita Yosukeさんの発表
最後に、「GraphQLライブラリStrawberryのDjangoプロジェクトへの適用事例: 実践から学ぶヒントと戦略」というテーマで発表したMiyashita Yosukeさんにお話を聞いていきます。
Miyashita Yosuke
発表しようと思ったきっかけとしては、社内で発表を勧められたことです。 あるときStrawberryの関連ライブラリに対して軽微なバグ修正をしたんですが、チーム内でその話をしたところ、「Strawberryコントリビューターさん、DjangoCongressで発表しませんか!」という雑な勧めを受けました(笑)。
Strawberryを熟知しているとは言えない私が話していいのか迷いもありましたが、Strawberryも、またDjangoでのGraphQL開発自体もまだ手垢のついていないテーマではあるので、発表すれば興味を持ってもらえるのではないかと思い発表することにしました。
今までの会社ではカンファレンスで登壇経験のある人が周囲にいたことがなかったので、こういった会話が自然に発生するのはビープラウドの特徴だと思います。
社内で登壇を勧められたことがきっかけなんですね!確かにビープラウドでは「登壇してみよう!」という話があちこちにありますよね。
Miyashita Yosuke
テーマ決めにあたっては、Strawberryについて話せそうなトピックをいくつか考えて社内で意見をもらいました。
ボツ案には「Strawberryと他のGraphQLライブラリの違い」みたいなテーマ案もありましたが、「調査系の内容よりも、実体験ベースの話をした方が面白そう」というフィードバックがあり、今回のテーマにしました。
業務でPythonのGraphQLライブラリのStrawberryを使用しているんですが、このStrawberryをDjangoで使うにあたって、設計や実装で気をつけていることを紹介しました。
いくつかの候補の中から実体験のお話しようと、今回のテーマになったんですね。実体験のお話は、聞く人も「こういうことあった!」と共感できる内容も多そうです。
Miyashita Yosuke
こういった外部での発表は初めてだったので、緊張して話す内容が飛ばないように、事前に用意したスクリプトに沿って話を進めました。そのためPCを凝視しながらの発表となってしまったのは反省ですが、まずは「無事発表を終える」という最初のハードルは超えられてホッとしています。
質疑応答で何人かの方に質問いただけたり、その後のパーティーでも発表を聞いてくださった方とGraphQLに関する話ができたりと、興味を持っていただける内容にできたかなと感じています。
初めてだと緊張しちゃいますよね。無事発表を終えられてよかったです。Miyashitaさん、お話ありがとうございました。
参加者インタビュー
ここからは一般参加したメンバーも含めて当日の様子を聞いてきたので紹介します。
参加しようと思った理由を教えてください
何回も参加したことがあり、できるだけ参加しているからです。
Djangoを仕事でもプライベートでも利用しているからです。
弊社から3名登壇するとのことで応援したいと思い参加しました!
仕事でDjangoをよく使うので知見がほしいと思い参加しました。
久しぶりにオフラインのイベントに参加したくなったのもあります。
オフラインのイベントに久々に参加したかったのと、同僚が何人か発表者で居たので勇姿を見届けにいきました。
業務でDjangoを使いはじめたので、知識を吸収したいと思い参加しました。
そこでしか出会えない人に会ったり、普段接しないようなテーマに触れたりしたかったためです。また登壇者として選んでいただいたので参加しました。
同僚が発表するからです。都合が合えば毎回参加しています。
講演の内容で印象に残ったものがあれば教えてください
同僚の発表と、Djangoマイグレーションに関する発表です。
OkanoさんのDjangoテンプレートエンジンを使いこなそう!で、shellでテンプレートをレンダリングできることを初めて知りました。
django migrationで学ぶデータベース設計。
アプリケーションの依存関係を考慮して設計することでリリースで切り戻しをしやすくしたりできることは、一度自分で痛い目を見るとわかることもあるなーと過去の経験を思い出していました。
Djangoの流儀に沿って開発していると意識しなくてもできることもありますが、知識のインデックスを増やしてその時使えそうなものを選べるようにしておくのが大事だなーと思いました。
nibuさんの「Djangoを仕事で使っていくために学んだこと」という発表が印象に残りました。ビープラウドの研修で学んだことを、深掘りしていて素晴らしいと思いました。「困っている後輩にさまざまな先輩がアドバイスする」という構成になっており、ビープラウド社内の雰囲気も伝わる発表だったのではないかと思います。
aodagさんのDjangoモデルの考え方については基礎的な所から入って実践的な話まで詳しく聞けて興味深かったです。
nibuさんの「Djangoを仕事で使っていくために学んだこと」です。入社して間もないときは覚えることがたくさんあり、なかなか理想通りに動けないこともあると思います。躓いたことや教わったことについて自分なりに調べた内容が凝縮されていて、素晴らしい発表だったと思います。リファレンスの文字数を数えるという発想も面白かったです。
「Django ナレッジ共有 ~DB管理は別の部署 & 開発tips~」です。私も1つのDBを複数アプリケーションで共有する現場を経験したことがあり、そういった場合にDjangoのようなmigrationでDBを管理するフレームワークは相性が良くないのではないかと思っていたのですが、やりようはあるんだなと勉強になりました。
たくさんありすぎて短くコメントできないですが、全ての発表が面白かったです。
強いて言えば、発表の内容もそうですが、それ以上にオフラインでの熱量とかやりとりが面白かったなと思います。
イベント全体を通して印象に残ったことを教えてください
技術的に深堀りした話が多くて普段Django使ってる身でも新しい知見を得られました。
参加前は、DjangoCongressに対して「Djangoに詳しい人たちが集まっている」というイメージを持っていました。もちろんそう言った方も多いですが、私のようなDjango経験が長くない人でも理解できたり、共感できる発表も多く、学びの多いイベントでした。
ほどよい規模感で、登壇者の方や運営の方とも気軽に会話できる雰囲気なのがよかったです。お昼時間も長めに設定されていたので、参加者のみなさんと雑談する時間が取れて楽しかったです。
みんなで作り上げるイベントだな、と思いました。オープニングでChairの清原さんが「困っている人が居たら参加者の人が声をかけて助けてください」とお話されていたことを聞いて、自分達で作り上げるイベントなのだなと実感できました。
また、参加者の皆さんがとても温かいです。自分の発表に対しても「良かったよ!」と声をかけて頂けることもあり、嬉しくなりました。
久しぶりのパーティで、久しぶりに会えた方がたくさんいたことです。
オフライン開催で発表と公式のパーティも実施されたので、初めてお会いする方やお久しぶりの方といろいろお話できて楽しかったです。普段Slackのアイコンしか見ない自社の同僚とも会う時間ができて有意義でした。
オフラインイベントでわいわいした雰囲気が久しぶりな感じで楽しかったです。
一つの場所にみんなで集まってみんなが同じ発表を聞いているという体験が面白いし、楽しいです。
ここにいる人はみんなDjangoに興味があって、ここでDjangoについて知ろうとしているというだけで同志ですし、そういう風に集まることができたというのが良いですね。
パーティーのお写真もいただいたので掲載します。
参加して得られたものを教えてください
Djangoでグラフデータベースを使う方法やDjangoのパスワード周りの実装、 共有DBの現場でDjangoを使う方法などの知見を得られました。
DjangoCongressと言いつつも、Djangoに絡めた様々な方面のトークがあるので「あれもこれも学ばなきゃいけないな」と技術学ぶ熱が高まりました。
コロナ禍に入って、こう言った技術イベントにはオンラインで参加するようになったのですが、久しぶりにオフラインの勉強会に参加し懐かしい気持ちになりました。今後もまたこういったイベントにも参加していきたいです。
詳細は差し控えますが昨年お話した方と再開して「あのとき相談に乗ってもらえて感謝してます」といったお言葉をいただけたのは嬉しかったです。継続的にカンファレンスやコミュニティに参加してるからこういう機会もあったのかなと思います。
自信と嬉しい気持ちを得ることができました。
「この辺り皆さん知っているかもな……」と言う話でも「知らなかった!」と言ってもらえるだけで、発表して良かったなと思いました。
リファレンスを読むモチベーション!ただ見るだけではなく、もっと積極的に読みたいと思いました。
あと、リモート勤務で普段会えない同僚ともたくさん会話できて楽しい思い出ができました。
昨年以前との違いでいいなと思ったことがあれば教えてください
今年は登壇者として参加できたので、質疑応答の時間や懇親会の時間でフィードバックをもらえたのが嬉しかったです。
「発表の中ではこういっていたが、〇〇についてはどうか」といった質問についても、実際のシチュエーションを聞きながら議論できました。
事前準備は大変でしたが、来年も挑戦してみたいですね。
オフラインなのでその場で登壇者に質問できたり、懇親会で参加者の方々と話せるのがいいなと思いました。
昨年は行けてないです。その時その時でいいなと思うことは違うので、あまり以前のイベントと比べて考えないですね。
その他感想など
私は今年ビープラウドに入社したんですが、普段フルリモートなので、一緒に働いている同僚と会えるよい機会でもありました。
まだ発表したことのない方も、まずはCfPを出すことに挑戦してみてほしいです!
登壇者のみなさん、イベント運営のみなさん、参加者のみなさん、ありがとうございました!
全体的に、お祭り感が増した感じがします。気持ちとして。
カンファレンスで会社の先輩方に初めて会うことが出来て、お話できたことが楽しかったです。
また、有名なPythonistaの方にも会うことができて非常に刺激的な1日を過ごすことができました。
今しか話せないネタが何かしらあり、自分にとっては当たり前なことでも他の人からすると知らない事もあるので、発表することには意義があるんだなと、私自身今回の登壇を通じて感じました。
もし、「自分も発表してみたいな……」という気持ちの方がいらっしゃったらぜひCfPを提出して盛り上げていきましょう!
みなさん、貴重なお話ありがとうございました。
まとめ
DjangoCongress JP 2023の雰囲気は伝わったでしょうか?
オフライン開催なうえにパーティもあったので、初めましての方からお久しぶりの方まで、いろんなDjangoに関わる人たちと交流できるのが素晴らしいイベントですよね。
初めて発表したメンバーのお話から、やってみたら得られるものがあった、と強く伝わってきました。
イベントで登壇しての発表に、少しでも憧れややってみたいという気持ちがある方は、ぜひ来年挑戦してみてくださいね。