こんにちは、PyQスタッフkonieです!
PyCon JP 2021 の発表者にカンファレンスの準備や発表について聞く連載「カンファレンス発表のススメ」第3回です。
今日のお客様
HayaoSuzukiさん
PyQの運営会社である株式会社ビープラウドのメンバー。
入社以来、一度もオフィスに行ったことがない。
Twitterアカウント:@CardinalXaro(https://twitter.com/CardinalXaro)
PyCon JP 2021での発表について
最初の質問です。
PyCon JP 2021では、どんなテーマで発表しましたか?
私は組み込み関数powを初めて聞きました。
どういうものか教えてもらえますか?
組み込み関数powとは、数のべき乗を返す関数です。
pow関数はPythonに限らず、数学関数ライブラリを備えるようなプログラミング言語ならば大抵存在します。
Pythonのpow関数はべき乗剰余も計算できますが、これもまた他の言語にも存在する機能です。
なるほど、他の言語にも存在する関数なのですね。
どうしてこの組み込み関数を発表テーマに選んだのですか?
発表タイトルの「知られざる進化」がポイントでしょうか?
今回発表では、Python3.8で追加された新機能について解説しました。
整数剰余類環における乗法逆元を計算する機能です。
概念としては、整数論を勉強していれば必ず遭遇する命題であり、計算機科学でも拡長Euclidの互除法として有名なアルゴリズムです。
標準的に搭載されているプログラミング言語はPythonぐらいでしょう。
Pythonの奥深さ、数学との親和性の高さを感じる題材として面白いなと思い、発表のテーマに選びました。
私は数学にしばらく触れていないので難しそうなテーマだと感じました。
数学の知識はどのくらい必要ですか?
Pythonの予備知識も不要です。
なるほど、あまり身構えずに多くの人に見てもらえるテーマなのですね。
今回でPyCon JP の発表は3回目ということで、よりよく内容が伝わるための発表準備などのお話も詳しく聞いていきたいと思います。
プロポーザルの提出・発表準備について
プロポーザルとは
学術会議への発表申し込みのことを、プロポーザルといいます。プロポーザルの募集、すなわちカンファレンスで発表したい人を募集することをCfPと呼びます。CfPが出ると、発表したい人はプロポーザルを提出し、採択を待つというわけです。
CfPは、Call for Proposalの略です。プロポーザルには発表のタイトルやエレベーターピッチと呼ばれる発表内容の要約を記載し、カンファレンスの主催者はプロポーザルを吟味してどの人の発表を採択するかを決定します。
これらのカンファレンスの仕組みについては、別の記事でも紹介しています。よろしければこちらも読んでみてくださいね。
プロポーザルを出す時にはどんな準備をしましたか?
目標となる概念をいきなり説明するのは無理なので、必要な概念の定義や性質を説明しながら目標に到達する、というのを想定して書きました。
数学的な内容の発表で、Pythonの発表として面白いと思ってもらえるプロポーザルを書くには、伝わりやすいアウトラインを考えるのは重要そうですね。
発表時にも気を配る点が多そうですが、発表前にはどんな準備をしましたか?
発表のアウトラインに沿って中身を作成していくのですが、題材が数学なので論理が飛躍しないように一歩一歩順を追って作成しました。
資料が完成したら発表練習です。
「時間を計って発表する」の繰り返しです。
一歩一歩丁寧に資料作成・発表練習も行ったのですね。
今回の発表内容は GitHub(HayaoSuzuki)に公開しているので、当日見られなかったという人にもみてほしいですね。
当日の発表について
PyCon JP 2021はオンラインとオンサイトのハイブリッド開催でしたが、特に気をつけたことや難しかったこと、よかったことなどがあれば教えてください。
昨年はZoomのコメントで発表中に確認するのがほぼ無理でしたが、今年はDiscordだったので、チラ見しつつ発表しました。
3回発表中の2回がオンライン発表だからこそわかる変化ですね。
当日の発表はどうでしたか?自由に感想をどうぞ!
発表が成功してよかったです。
3回目ともなれば発表になれるのかなとも思ったのですが、何度やっても緊張してしまうものなのですね。
テーマから私にはとても難しそうな発表に感じたのですが、発表への反響はどうでしたか?
寄せられた質問についてや、発表前後で意識面やその他変化したことなどあれば教えてください。
また、何かしらの応用例があるともっと興味を持ってもらえたかな、と思っています。
なるほど、短い時間で伝えられるようにまとめるのは難しいですよね。
応用例を出す問うのも次回の発表時に活かせると良さそうですね!
最後に
最後にここまで読んでくださった方に告知したいことなどはありますか?
よろしくお願いします。