こんにちはPyQチームのkenkenです。
同じチームでエンジニアのnao_yさんが台湾で開催されたPyCon Taiwan 2019に参加されたのでインタビューしてきました。
海外のPyConに興味がある人であれば知りたくなるであろう現地での見所や、プライベートで盛り上がったことなど、たくさん語ってもらいました。
nao_yさんは海外のPyConに初参加とのことだったのですが、それにもかかわらずLT(ライトニングトーク)で発表されたという話は必見ですよ。
PyCon Taiwan 2019とは?
nao_yさんが参加されたPyCon Taiwan 2019はどのような内容のイベントですか?
nao_yPyCon Taiwan(PyCon TW) は、台湾の台北で年に一度開催されるPythonカンファレンスです。2012年に始まり、今年で8回目の開催になります。
日本で開催されているPythonカンファレンスPyCon JP と同様にPythonのコア技術、Web開発、データ分析・機械学習など幅広いテーマの発表が行われます。参加者の多くは台湾のPythonユーザーですが、日本からも10人くらい参加していました。
思ったよりも日本からの参加者もいるんですね。周りに日本人がいると、言語の面でも安心できますよね
nao_y
そうですね。はじめて参加する国のPyConに同じ国の仲間がいると、面白そうなトークセッションの情報交換ができたり、知り合いの知り合いを通じて現地の人と仲良くなることができたりしますね。
PyCon Taiwan 2019の会場
nao_y
PyCon TW 2019の会場は台北市にある中央研究院人文社会科学館でした。(2012年の初開催から同じ会場のようですよ)中央研究院は国立の研究機関で数理科学、生命科学、人文社会科学など幅広い分野を扱われているそうです。
nao_y
台北MRT板南線/文湖線・南港展覧館駅が最寄り駅で、バスを使うと約5分程度で中央研究院正面に着きます。会場へは中央研究院正面から徒歩で10分程度の距離があります。会期中は駅から会場正面までのシャトルバスが運行されていました。タクシーやライドシェアサービスのUberを使えば会場正面に着けてもらうことも可能です。
なるほど。nao_yさんはどのような交通手段で会場に向かいましたか?
nao_y
私の場合はシャトルバスの時間に間に合わなかったのでタクシーで向かおうとしました。ですが、運転手さんとのコミュニケーションがうまくいかず数十メートル進んだところで降ろされてしまうというトラブルに見舞われ、 Uberを利用して会場に向かいました。
PyCon TW 2019のレベル感
PyCon TW 2019はどんな人を対象にしたイベントですか?
nao_y
PyCon TW 2019は、Pythonを使っているすべての人に向けたイベントです。
発表テーマの傾向としてはPythonのコア技術、IoT、機械学習が多めでした。ちなみにPyCon JP 2019ではIoTをテーマとした発表はあまり多くなかったように感じました。
発表テーマの傾向には各国の個性・そのときのトレンドが濃く出るのではないでしょうか。普段はあまり目にしないテーマの発表を聴けるのも海外カンファレンスに参加する楽しみの1つです。
国ごとに興味が持たれているテーマが異なるものなんですね。レベル感なども教えてください。
nao_y
レベル感については、発表の内容に応じてNovice(初心者向け)、Intermediate(中級者向け)、Experienced(上級者向け)という3つの難易度の分類がタイムテーブルに記載されていました。
Noviceは若干少なめで、IntermidiateとExperiencedの割合が多めでした。
タイムテーブル
tw.pycon.org
発表言語
nao_y
発表言語・スライドに使われた言語はいずれも中国語か英語です。ですが、発表するときの言語は中国語でもスライドは英語で書かれている発表もありました。そのため中国語がわからなくてもスライドを見て内容を理解する、という聴き方も可能でした。自分の母語がメインのカンファレンスに参加していると気づけないのですが、海外からの参加者にとって英語の発表枠があるというのは心強いですね。
PyCon TW 2019に参加した理由
nao_yさんがPyCon TW 2019に参加した理由を教えてください。
nao_y
初の海外PyCon登壇をしてみたいと思ったのが一番の理由です。(残念ながらProposalは不採用でした)
また、私がスタッフを務めたPyCon JP 2019では、今年は台湾からの参加者が多かったということで相互に交流したかったのがもう1つの理由です。あとは魯肉飯を食べたり台北の街並みを見たかったりした気持ちもあります。
nao_y
メインの発表ではありませんが、飛び入りLT(ライトニングトーク)が企画されていたので応募したところ「Recap PyCon JP 2019」というテーマで発表する機会を得られました。初参加のPyCon TW 2019で初LTをすることができ、行った甲斐がありました。
nao_y
PyCon TW 2019の直前に開催していたPyCon JP 2019のスタッフだったので、PyCon JP 2019の見どころをピックアップして振り返りました。その勢いで来年開催されるPyCon JP 2020の告知もしました。これが台湾の方がPyCon JP 2020に来るきっかけになればいいなと思います。
発表資料:Recap PyCon JP 2019
docs.google.com
LTでの発表風景
nao_y
はい。はじめての場所でしかも英語で発表したのでとても緊張しました。
ですが途中、熱が入ってきて思わずハンドマイクを使い始めてしまいました。
写真だけ見るとまったく緊張してないように見えますね。こちらは誰かに撮ってもらったものですか?
nao_y
はい。日本から参加されたLina Katayose(@selina787b)さんにLT中の様子を撮影していただきました。Lina Katayoseさんありがとうございました!
そうだったんですね。nao_yさん以外のLTでの発表者は台湾の方が多かったですか?
nao_y
いいえ。意外なことに私がLTをした1日目は、5人の発表者のうち4人が日本からの参加者でした。
5人目の台湾の方はPyCon JP 2019にも参加していたので実質、LT発表者全員がPyCon JP関係という不思議な事態が起こりました。あと、私の写真を撮ってくれたLina Katayoseさんも2日目のLT で発表されましたよ。今度はスピーカーとしてここのステージに立ちたいですね。
PyCon TW 2019で楽しめたこと
nao_yさんがPyCon TW 2019で楽しめたことを教えてください
nao_y
PyCon TW 2019で思い出に残っていることは、書籍販売コーナーとランチ、懇親会のPyNightですね。
書籍販売コーナーでは台湾で出版されている技術書の他、日本やその他の国の技術書の翻訳版もありました。その国の技術書の動向が見れるのも海外カンファレンスの面白さですね。
台湾はもちろん漢字文化圏なので表紙の文字から内容をなんとなく推測できます。
中国語ではデータ分析を「資料分析」、機械学習を「機器學習」と書くのですね。
ランチの時間
ランチも思い出に残ったことに挙げられていましたが、どんなメニューが出たのですか?
nao_y
ランチは2つのフロアでそれぞれ違う種類のお弁当が配られていました。1フロアに鶏肉や牛肉がメインのお弁当、韓国風のお弁当などが4種類くらいあり、どれを手に取るかとても迷いました。
nao_y
そうですね。お昼過ぎくらいから廊下におやつが用意され、トークセッションを聴いていない間やコーヒーブレイクの間に自由に食べることができました。ここでも美味しそうなものが揃っていました。
PyNight
PyCon TW 2019ではPyCon JP 2019のようなパーティや懇親会はありましたか?
nao_y
カンファレンス2日目の最後にPyNightという懇親会が開催されました。
際立っていたのは生演奏があったことです。演奏メンバーにはPyCon TW座長の姿もありました!(写真左奥)。
PyCon TW 2019座長も演奏メンバーにいるなんて驚きですね。
PyCon TW 2019で印象に残ったトーク
nao_yさんが、今回のPyCon TW 2019で印象に残った内容や、参加したことで得られたことがあれば教えてください
「PEP 572: The Walrus Operator」
nao_y
「PEP 572: The Walrus Operator 」は、以前、Python学習チャンネルでも取り上げた Python 3.8からの新要素「Assignment Expression」通称Walrus Operator(セイウチ演算子)がテーマの発表です。Pythonの新機能などを定義するPEPが決まる過程、Walrus Operatorの問題点、Walrus Operatorの使用が適す場面と適さない場面の解説の他、PEP 572が採用されるまでの議論についても触れる、 PEP 572の奥深くまで切り込む内容でした。
「Real-Time Automatic Accompaniment Implementation in Python」
nao_y
「Real-Time Automatic Accompaniment Implementation in Python」は、35年前から研究されてきた自動伴奏という分野にPythonで挑戦する、Pythonと音楽というおもしろい組み合わせの発表です。複数の音声関係のPythonライブラリと確率モデルを用いて、人間の演奏に合わせてリアルタイムで伴奏をしてくれるというシステムでした。発表言語は中国語でしたが、スライドは英語でした。また途中でデモ動画が流れたので説明されていることをなんとなく把握できました。2日目のカンファレンス後に行われたPyNightでは発表者自ら、ライブデモをする一幕もありました。伴奏者がいないにもかかわらず、どこからともなく伴奏が聴こえてくるのは不思議な感じがしました。
まとめ
この記事でPyCon TWに興味を持たれた方に何かコメントをお願いします!!
nao_y
Pythonのコア技術・Pythonと音楽という2つのトークセッションからPyCon TWのテーマの幅広さを感じることができます。その他にもさまざまな興味深いトークセッションがありました。詳細は公式Webサイトのトーク一覧をご覧ください。現段階ではまだですが、YouTubeのPyCon TWチャンネルにトークセッションの動画がアップロードされると思いますので、そちらもチェックしてみてください!
nao_yさんのブログ情報
インタビューに答えてくれたnao_yさんが個人のブログで台湾の観光談を発信されています。
このブログで触れられなかったおもしろい台湾での体験談がたくさん書かれているので、あわせてお読みください。
nao-y.hatenablog.com