2024年10月25日(金)〜27日(日)の3日間に渡り「PyCon APAC 2024」が開催されました。参加した 清水川 貴之 (@shimizukawa)さんにお聞きしたイベントでの発表や現地の様子について紹介します。
- PyCon APACはどんなイベント?
- イベントに参加した理由と、参加した日程についてなど教えてください。
- 発表した内容について教えてください。
- イベントの見どころはどこでしたか?
- イベントで印象に残ったことや思い出はありますか?
- 参加してみた感想
PyCon APACはどんなイベント?
PyCon APACは、Pythonに関する国際カンファレンスです。
インドネシアで毎年開催されているPyCon IDが今年はAPACを冠して、ジョグジャカルタで開催されました。インドネシアで初めてのAPAC開催でした。
日程は以下の3日間で開催されました。
- 10月25日(金)DAY1ワークショップ
- 10月26日(土)DAY2トーク
- 10月27日(日)DAY3トーク
日本のPyConよりも、進行はゆったりした雰囲気でありながら、質疑応答などは活発でした。
今回、日本からは私を含む10名弱が参加し、6名がトークセッションを持ちました。
イベントに参加した理由と、参加した日程についてなど教えてください。
参加した理由について
海外PyConへの参加モチベーションが上がってきていたことと、個人の時間の都合を付けられる状況になってきたことが参加理由です。参加するからにはトークプロポーザルを出して、落ちたら行かないつもりでいました。
無事プロポーザルが通り、26日(土)、27日(日)の2日間で参加してきました。
発表した内容について教えてください。
"Structlog in Practice" というタイトルで発表しました。
内容は今年9月の、PyCon JP 2024 でのトーク発表「実践Structlog」の英語版で、クラウド時代のオススメロギングライブラリとしてstructlogの入門と実践で利用している事例を紹介しました。
トーク後には質問がいくつも続き、トーク時間が終わった後も15分ほど質疑応答を続けていました。質問してくれた方の中には、ログファイルをローカルに持っている方もいれば、Graphana Lokiを使っている方もいましたが、ロギングについての課題を持っていて色々と質問してくれました。
PyCon JP 2024のトーク資料
イベントの見どころはどこでしたか?
最初のキーノートはAnthony Shawさんによる「The Language of Proggraming Languages」というタイトルでしたが、これがとても面白かったです。プログラミング言語開発者の多くが、英語ネイティブかどうかにかかわらず英語でプロジェクトを運営し、ドキュメントを書いているという事実を示しつつ、とはいえプログラミング言語の利用者としてはエラーメッセージなどはネイティブ言語で表示された方が分かりやすいという内容でした。
トークの途中で「この文章が読めますか?」というメッセージがスライドに表示され、その言語を読めた人が手を挙げるというシーンがあり、最後に英語で表示されてほぼ全員が手を挙げていたことが、「ネイティブ言語で表示された方が分かりやすい」という事実を端的に表していたと思います。
質疑応答では、エラーメッセージは英語の定型文は検索で調べやすいが、多言語表示になってしまうと調べるのが難しくなるという指摘もありました。私個人としては、多くの議論を呼ぶことになっても、ネイティブ言語で表示されることのメリットはかなり大きいだろうと感じました。
イベントで印象に残ったことや思い出はありますか?
スポンサーブースは2日間とも活気がありました。
ブース自体は8テーブルほどのエリアでしたが、多くの参加者が積極的にブースに声をかけて賑わっているのが印象的でした。日本関連では、HENNGEさん、ちゅらデータさんがスポンサーブースを出していました。
参加してみた感想
PyCon APAC 2024は、おだやかな雰囲気の中で情熱を持った人たちが情報交換するようなイベントでした。参加者も含めて全体的に落ち着いた、静かな感じでしたが、質疑応答では日本よりも積極的な感じでした。多くのトークセッションで、最後の質疑応答ではガンガン質問があって時間切れになり、廊下でも質問が続いているようでした。