2024年9月21日(土)、22日(日)の2日間に渡り 「PyCon Taiwan 2024」 開催されました。参加した 鈴木たかのり(@takanory)さんにお聞きしたイベントでの発表や現地の様子について紹介します。
- PyCon Taiwanはどんなイベント?
- イベントに参加した理由と、参加した日程についてなど教えてください
- 発表した内容について教えてください
- イベントの見どころはどこでしたか?
- イベントで印象に残ったことや思い出はありますか?
- 参加してみた感想
PyCon Taiwanはどんなイベント?
「 PyCon Taiwan」は、台湾で開催されているPythonに関する国際カンファレンスです。2024年9月21日(土)、22日(日)の2日間の日程で、初めて台北を離れて台湾南部の高雄市で開催されました。
高雄は東京から直行便もありますが、台北に比べると便数が少ないので少しアクセスしにくいです。 今回、日本からは私とPyLadies Tokyoから3名、他数名が参加しました。
イベントに参加した理由と、参加した日程についてなど教えてください
参加した理由について
イベントに参加した理由はまず、開催地が高雄であるということです。
私はこれまで数回PyCon Taiwanに参加したことがあり、2024年の参加は一度見送ろうと思っていました。しかし、開催地が高雄に移動したことを受け、「こんな機会でもないと高雄に行くこともない」と思いました。また、新しい地域で開催するPyCon Taiwanを応援したいとも思い、トーク募集に応募しました。
結果、私のトークが選ばれたのでPyCon Taiwan 2024に参加することにしました。
日程について
高雄は初めてだったので、少し長めに日程を取りました。 9月20(金)の午後に成田から高雄に夕方到着し、ホテルにチェックイン後スピーカーが招待されるディナーに参加しました。
21日(土)、22日(日)がカンファレンスです。 23日(月)は1日オフにして少しだけ買い物や観光をし、夜市(ナイトマーケット)で晩ご飯を食べました。
24日(火)は台湾の新幹線(台湾高速鉄道)に乗って台北に移動し、台北から帰国しました。
発表した内容について教えてください
「How to learn Japanese with Python」というタイトルで、Pythonの日本語関連のライブラリやAPIを使用することで、英語話者が日本語を学習する助けができるのではないか?という内容で発表しました。
- 日本語は英語などと異なり以下のような特徴があります。
- 3種類の文字(ひらがな、カタカナ、漢字)を使用する
- 単語が空白文字で分割されていない
- 漢字に複数の読み方が存在する
これらの特徴が日本語学習が難しい要因の一部であると考え、Pythonプログラムで学習をサポートする機能を作成するというものです。具体的にはひらがな、カタカナのローマ字変換、形態素解析による単語分割、形態素解析で読みを取得してふりがなを振るというものです。
トークのタイトル「How to learn Japanese with Python」の通り、日本語の学習に興味がある人が多かったので「日本語こういうところ難しくてヤバいですよね?」と話すとうなずいている人が多くいたなという印象です。
このトークをきっかけに日本語の自然言語処理系のライブラリに興味を持ってもらえるとうれしいです。トークの中では SudachiPy、jaconv、Amazon Pollyとboto3 を紹介しました。
イベントの見どころはどこでしたか?
Georgiさんのトーク
キーノートでのGeorgiさんの話が印象的でした。 Georgiさんとは PyCon Thailand 2019のスタッフ をしていたときに初めて会いました。 その時のパーティーで、バンド演奏のボーカルとして歌っており、大いに盛り上がっていた思い出があります。
トークの中では自身がどのようにコミュニティと関わっていったか、なぜそのようにするのかということが話されました。
意外だったのはGeorgiさん自身はプログラムがメインではなくて、デザインなどが本業です。 2018年にPyCon Thailandのロゴデザインを依頼されたところから出会いが始まり、その後がっつりとコミュニティに入っていくというのは面白い経歴だなと思いました。
また、トークの中で「2019年に日本のSelinaさんから、『PyLadies作るといいんじゃない』という話をして、それがきっかけてバンコクで立ち上げた」という話がありました。いろいろつながっていてとても素敵だなと思いました。
Reuven Lernerさんのトーク
もう一つはReuven Lernerさんの 「What happens when you import a module?」 です。
このトークではPythonプログラムでよく使う 「import hogehoge」 としたときに何が裏側で行われているかの詳細な解説がされました。 次の週末にはimport文を実行するとPythonの内部でどのようにモジュールを探し、それを読み込み、どのように定義するのか、ということを少しずつステップを刻んで解説してくれました。Reuvenさんは本業でPythonを教えており、とても楽しくわかりやすい発表だったと思います。
普段なんとなく使っているimport文の裏側ではこういうことが行われているのかと、ものすごく勉強になりました。 実際にその知識を使う場面はあまりないと思いますが、Pythonの処理系の裏側を垣間見た感じで、興味深かったです。
イベントで印象に残ったことや思い出はありますか?
今回PyLadies Tokyoは、ポスターセッションにエントリーしており、3名のメンバーがPyLadies TokyoとPyLadiesであることを参加者にアピールしていました。
3名のうち1名は初海外で、初海外カンファレンスに参加し、英語で参加者にカードを渡したり交流しており、すごいなと思って見ていました。
今回のPyCon Taiwan 2024の次の週末にはPyCon JP 2024が開催されました。
私を含め、日本からの参加者はそのほとんどがPyCon JPにも参加し、台湾からも10名が参加しました。
おそらく韓国、香港メンバーなども含めて20名弱くらいが2つのカンファレンスをはしごして参加していたと思います。
アジア地域のPyConメンバーが国を行き来し、交流する輪が広がっていて、すごいなと感じています。
参加してみた感想
私がPyConに参加するといつものことですが、連日友人や新しい知り合いとビールを酌み交わすのがとても楽しいです。PyConのことや技術のこと、全然関係ない話を語り合い、またいつかどこかのPyConで再会することを約束します。
次はインドネシア、ジョグジャカルタで開催されるPyCon APAC 2024に参加します。 またどんな出会いがあるのか楽しみです。(ビールはあまり期待できませんが...🍺)
Yesterday I drank good Taiwan craft beer at Zhang Men with APAC Python friends. See you next week at PyCon JP!! #pycontw #pyconjp pic.twitter.com/NPENLEgJL7
— Takanori Suzuki (@takanory) 2024年9月22日