こんにちは。PyQチームのnao_yです。
シンガポールで開催されたPyCon SG 2019に行ってきました!
さまざまな国のPython使いが集まるPyCon APACの雰囲気や、機械学習+Webという興味深い内容の発表についてお伝えしたいと思います!
PyCon APACとは?
2010年にシンガポールから始まった、アジア太平洋地域規模で開催されるPythonのカンファレンス(PyCon)です。
直近では台湾(2015年)、韓国(2016年)、マレーシア(2017年)といった国で開催されました。日本では2013年に開催されています。
PyCon APAC 2018
5月31日から6月2日に掛けての3日間に渡って開催されました。
会場はシンガポール国立大学(NUS)。世界大学ランクで3年連続でアジア首位に輝いている大学だそうです。
マーライオンが描かれたロゴがまさにシンガポールという感じです!
1日目がワークショップ、2,3日目がカンファレンスというスケジュールです。カンファレンスはデータサイエンス、Web開発、その他とテーマごとに分かれた3トラック構成で行われました。どのトラックにも興味深いトークがあってどれを聞くか悩みまくっていました。
3日目には学生向けプログラミングワークショップが開催されていたようで、学生がちらほら見受けられました。プログラミング面接で使われるPythonの文法についての発表(Elements of Programming Interviews in Python)を真剣に聞いている姿が特に印象的でした。
すべての発表が英語で行われるので、英語慣れしていない私は頭をフル回転させながら聞いていました。あまりに頭を使いすぎて頭痛がするくらいでした。英語力を鍛えないといけないようです。
また、開催中には朝食、昼食、おやつがビュッフェスタイルで提供され、会場にいる間お腹が空くことはないくらい食事にも気合が入ったイベントでした。
APACの名前に相応しく、さまざまな国のPython使い(Pythonista)が集結します。最終日にはスタッフや発表者も交えて懇親会を行いました。台湾、韓国、インド、フィリピン、カナダとさまざまな国から来たPythonistaと交流しました(頑張って英語で交流を試みていました)。
PyCon APAC 2018 ツアー
海外カンファレンス初参加なので、PyCon JPが企画するAPACツアーに加わりました。
PyCon JP Blog: PyCon APAC 2018 in シンガポール のツアー参加者募集
5月31日にシンガポール入りして、初日は観光、2, 3日目はPyCon APAC、4日目にまた観光、そして6月4日に帰国というスケジュールでした。PyConも観光も満喫できました。
Build a Data-Driven Web App That Everyone Can Use
概要:
You're a data scientist with a machine learning model that you want to show everyone. Do you give your users your Python scripts and tell them to run "python mycoolmodel.py"? Is there a better alternative? How about a web app? The speaker will show you how Flask can be the best fit pun intended for this case.
概要(意訳):
自分の作った機械学習モデルをみんなに使ってもらいたいのに、
mycoolmodel.py
などと名付けたファイルをpython
コマンドで実行するよう伝えていませんか?他にもっと良い方法があるはずです。Webアプリはどうでしょうか?この発表ではFlaskを使ったベストな方法を紹介します。
特に興味深かった発表がBuild a Data-Driven Web App That Everyone Can Useです。
機械学習というとJupyter Notebookでコードを書いたり、結果をグラフ化する印象がありました。 Jupyter Notebookは機械学習モデルの作成には適していますが、チームメンバーや多くのユーザーにその成果を使ってもらうときにファイルを渡して実行してもらうわけにもいきません。
そんなときにWebアプリとして使うことができたら便利ですし、Webサービスに組み込むこともできそうです。Flaskは軽量WebフレームワークなのでシンプルにWebアプリを作れるのが特徴です。機械学習モデルをアプリ化するにはとてもよい選択肢と思いました。
発表の動画が後日公開される予定ですので、追って紹介します。
機械学習とFlaskはどちらもPyQで学べるので、応用例としてFlaskで作成した機械学習Webアプリをいずれ紹介したいと思います。
【2018.6.20 追記】発表の資料が公開されました。 (PDF形式)
Build a Data-Driven Web App That Everyone Can Use
また、その他の発表・ワークショップの資料も公開されています。
発表の概要はスケジュールに併せて記載されています。
Conference Schedule | PyCon SG 2019
シンガポールってどんな感じ?
シンガポールといえばマーライオンとマリーナベイサンズ。天候に恵まれてとてもいい画が撮れました。
東南アジアに位置しているので雨がちな気候ですが、ツアー4日目は綺麗に晴れて観光日和でした。天気がいいだけあって赤道直下の暑さをとても感じましたが、ホーカーズと呼ばれる露店街で休憩しつつ晴天のシンガポールを散策しました。
Maxwell Food Centre
Lau Pa Sat Festival Market
Maxwell Food Centreではシンガポール名物の海南鶏飯を食べました。柔らかい鶏肉と鶏の茹で汁が染み渡ったご飯の組み合わせが最高でした。
夕方にはアラブ街を散策してトルコ料理をいただきました。
地元の人々が集まる露店街、近未来的な高層ビル群、異国情緒あふれるアラブ街とシンガポールのさまざまな姿を楽しむことができた一日でした。
シンガポール豆知識
シンガポールの公用語は複数ありますが、英語もその一つです。歴史的な経緯から英国式の単語が使われています。例えば、中心部を指すセンターはcentre
、色はcolour
という感じです。初めて聞いたのが建物のフロアを表すstorie
という言葉。綴りだけじゃなくて単語そのものも普段耳にする米国式と異なるんですね。
まとめ
初めての海外でカンファレンスなので発表が全く理解できないのではないかと不安でした。しかし英語とはいえPythonの話です。多少聴き取れなくてもスライドを読んだり、出てきたライブラリをその場で検索したりすることでなんとなく内容が伝わってきます。特に興味深かった"Build a Data-Driven Web App That Everyone Can Use"は話もスライドも理解しやすい作りですので、動画が公開されたらぜひ見てみてください。PyQでの学びを活かすアイデアが得られることでしょう。
また、シンガポールを訪れるのも初めてだったのですべてが新鮮でした。技術の話題だけでなく、その国の景色や食文化を楽しめるのも海外カンファレンスの醍醐味なのだと実感しました。
日本から海外のPyConに参加する人はあまり多くないようです。PyQで学んだあとは、海外のPyConに目を向けるのはどうでしょうか?刺激的な発表や綺麗な景色、美味しいものを味わいにいきましょう!
海外カンファレンスに興味があるけど一人では行きづらい、海外にあまり行ったことがないので不安という方は、PyCon JPが企画するツアーに参加するのがおすすめです。Pythonista仲間と行く旅は心強いですし、現地や他の国のPythonistaと交流するチャンスも得られます。
PyCon APACツアーやPyCon JPの情報は公式Twitterアカウント@PyConJで公開されます。ぜひチェックしてみてください。