こんにちは!PyQマーケティングチームのnanaです。2019年ももう少しですね。
昨年反響をいただいた「PyQの運営会社ビープラウドで今年読まれた本」の紹介を、2019年もしたいと思います。
今回は、3冊以上購入された本の中からジャンルごとに紹介します。
- 昨年の記事
- ビープラウドって?
- Python・Python関連技術
- システム開発の本
- Python以外の言語の本
- 設計・開発手法の本
- チームビルディングや組織の本
- その他
- おまけ:ビープラウド著のPython本
- まとめ
昨年の記事
2018年版は番外編としての紹介だったにもかかわらず、SNSなどで多くのコメントをいただきました。ありがとうございます!
ビープラウドって?
PyQの運営会社であるビープラウドは、以下のような特色のある企業です。
- エンジニア中心の会社(営業担当のいない会社)
- Pythonが開発の主言語
- 受託での開発・自社サービス(connpass, PyQ)開発の両方を行っている
そのビープラウドには、書籍を会社負担で購入できる、 BPBP(BeProudBookPurchase)という制度があります(制度の仕組みはビープラウド社長のブログで紹介されています)。
この制度を利用して購入されている本を調べると、 業務でPythonを使うエンジニアが、どんな分野にアンテナを張っているのか見えてきそう! ということで、BPBP申請履歴から集計した結果を紹介します。
Python・Python関連技術
テスト駆動Python
- 作者:Brian Okken
- 発売日: 2018/08/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
テスト駆動Pythonは、昨年もランク入りしていました。2018年版では、テストに関するおすすめ書籍も聞いています。
2018年版の記事はこちらをご覧ください。
現場で使えるDjangoの教科書《基礎編》
- 作者:横瀬 明仁
- 発売日: 2018/08/26
- メディア: オンデマンド (ペーパーバック)
現場で使えるDjangoの教科書《実践編》
- 作者:横瀬 明仁
- 発売日: 2018/12/08
- メディア: Kindle版
上記の2冊は、多くDjangoの情報を配信しているakiyoko blogの横瀬氏が執筆した、いわゆる技術同人誌です。
発表当初、「BPBPで同人誌を買ってもいいですか?」という問い合わせがslackチャットで飛びかっていました。
「現場で使える」の名の通り、開発現場の視点を反映した実践的な内容になっているそうです。
みんな、普段からもりもりPythonを書いているせいか、Pythonそのものを扱った書籍の種類は少なめでした。
ただ、現場に密着した視点の良書が発売されると、多くのメンバーが購入しています。
結果的に種類は少なく、書籍ごとの購入人数は多いという結果になりました。
システム開発の本
システム開発現場で必要とされる、関連技術の技術書も人気です。
業務で避けて通れない技術が多いですが、周りのメンバーをみていると「関わっている案件で必要になって学び始めた」という理由ばかりでもないようです。
業務中にサポートを必要としたところを補強したり、個人的に気になっている知識を学んだり、それぞれの興味にしたがって自由に学んでいます。
また、本を気軽に購入できる制度があると、他の人を巻き込みやすくもなるようです。
一人が詰まってしまった分野があると有志での読書会や勉強会が自発的に発生しています。
失敗から学ぶRDBの正しい歩き方
失敗から学ぶRDBの正しい歩き方 Software Design plus
- 作者:曽根 壮大
- 発売日: 2019/02/27
- メディア: Kindle版
RDBとは、Relational Database(リレーショナルデータベース)の略です。
日本語でいうと関係データベースとなります。
データを複数の表で管理し、表どうしの関係を定義することで複雑なデータとその関係性を管理する手法です。
紹介書籍では、アンチパターン(よくない例)を元に、良いRDBの設計を解説しています。
入門 監視 ― モダンなモニタリングのためのデザインパターン
- 作者:Mike Julian
- 発売日: 2019/01/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
システム開発における監視とは?
ここでいう監視は、「サービスが正常に提供されているか」「障害の前兆はないか」「障害がおこった場合、その原因が何か」を適切に監視することです。 開発は作って終わりではなく、正常に動かし続ける必要があります。
正常でない動きをした場合にいちはやく察知したり、原因をあとからたどれることは、開発にとって重要です。
初めてのGraphQL
初めてのGraphQL ―Webサービスを作って学ぶ新世代API
- 作者:Eve Porcello,Alex Banks
- 発売日: 2019/11/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
GraphQL
GraphQLとは、Web APIへの問い合わせ言語の1つです。
APIは、とあるシステムから別のシステムの機能をよびだすためのインターフェースで、現在のWeb開発では必須とも言える領域でしょう。
GraphQLにはAPIから必要なデータを取得するための問い合わせを、単純、直感的な記述で行える特徴があります。
Python以外の言語の本
業務で使用している主な言語はPythonですが、 併せて必要とする言語や、Pythonとは違う特徴を持つ言語の入門書も人気があります。
Vue.js入門 基礎から実践アプリケーション開発まで
サーバーサイドからフロントエンドの開発まで、一貫して担当するエンジニアもいます。
必要となれば、新しい技術への学習の垣根が低いように思います。
学習コストが低く小規模から大規模まで対応しやすいこと、一人が学び始めると波及するビープラウドの社内文化の影響で、フロントエンドのフレームワークはVue.jsが人気です。
実践Rust入門 言語仕様から開発手法まで
Rust
Rust(ラスト)はMozillaが支援する、オープンソースのシステムプログラミング言語です。 C言語、C++に代わるプログラミング言語を目指しているそうです。 速度、並行性、安全性に強みがありますが、学習コストが高いという特徴があります。
購入しているメンバーは日本語情報も少しずつ増えてきたことで興味を刺激され、じっくりと腰を据えて学ぼうと本を購入している様子です。
設計・開発手法の本
要件定義や設計などの工程も、興味をそそられるトピックのようです。
実は、ビープラウドには営業やディレクターの専任社員がいません。
いわゆる上流と下流で担当をわけず、お客様とのやりとりから開発まで一貫してエンジニアが担当します。
ですので、製品の価値の創出や企画などの知識は、学べば学ぶだけ実践できる環境があります。
もちろん学び積極的に上流工程に関わることは、評価にもつながります。
仕事とは別途サービスを自分で開発しているメンバーなども多いので、開発の全工程に関する関連書籍が読まれています。
システム開発のための見積りのすべてがわかる本
はじめよう!要件定義~ビギナーからベテランまで
- 作者:羽生 章洋
- 発売日: 2015/02/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
はじめよう!システム設計~要件定義のその後に
- 作者:羽生 章洋
- 発売日: 2018/01/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
ビジネス価値を創出する「匠Method」活用法
- 作者:萩本 順三
- 発売日: 2018/04/20
- メディア: Kindle版
エンジニアのためのデザイン思考入門
ビープラウドのメンバーは、ただ要求を満たすシステムを作るだけでなく
「システム開発で社会に価値を届ける」「では価値とは何か?」ということを常に意識しています。
PyQやconnpassなど、作ったものに対するフィードバックを得られる自社サービスを開発していることも一因でしょう。
結果、良い設計や価値の創出につながる知識として、マーケティング手法の本も意外とよく読まれています。
チームビルディングや組織の本
プロジェクトのメンバーのモチベーションやコミュニケーションは、良い開発に直結します。
私自身もマーケターとして、エンジニアメンバーとコミュニケーションを取りながら仕事をしているので、必要性を強く感じます。
そして、チームのコミュニケーションは、手法やフレームワークで一気に解決することもあります。
個人個人が気を遣うを発動させなくても、決まった流れでお互いが気遣えるようになったりするのです。
そんなヒントを求めて、みんなも様々な書籍を読んでいるようです。
管理ゼロで成果はあがる~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう
管理ゼロで成果はあがる ~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう
- 作者:倉貫 義人
- 発売日: 2019/01/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
ザッソウ 結果を出すチームの習慣
- 作者:倉貫義人
- 発売日: 2019/08/30
- メディア: Kindle版
あなたのチームは、機能してますか?
- 作者:パトリック・レンシオーニ
- 発売日: 2003/06/18
- メディア: 単行本
上記の本の中のザッソウは、雑談と相談のことです。slackのオリジナル絵文字に、とある雑草のキャラクターが登録されるなど社内でプチブームがおきました。
しよう!と決めてザッソウすると、思わぬアイディアが出るなど、いきなり効果を実感しました。
その他
若手ITエンジニア最強の指南書
岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。
- 作者:ほぼ日刊イトイ新聞
- 発売日: 2019/07/30
- メディア: 新書
技術者のためのテクニカルライティング入門講座
- 作者:髙橋 慈子
- 発売日: 2018/11/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
「若手ITエンジニア最強の指南書」は、入社後にまず入る新人チャンネルRookiesで、有志が若手(?)最強になるため勉強会を企画しました。
わたしも数回に渡って読書会をしていた内容を見ました。ここまで紹介してきた実装や上流工程、コミュニケーションなど、エンジニアに必要なスキルをコンパクトにまとめていてイメージが湧きやすい書籍でした。
おまけ:ビープラウド著のPython本
ビープラウドは初心者向けから実践内容まで、Pythonに関する技術書を執筆しています。
社内のメンバーの購入書籍にはPythonをメインに扱った本は少なかったので、「Pythonの本のおすすめを期待していたのに!」という方は、よかったら参考にしてください。
これらの本は、PyQとのコラボレーション問題もあるので、その記事を一緒に紹介します。
コラボレーション問題は、書籍に記載されているキャンペーンコードを使って無料で試すことができます。すでに書籍を持っている方もぜひチェックしてみてください。
いちばんやさしいPythonの教本 人気講師が教える基礎からサーバサイド開発まで
いちばんやさしいPythonの教本 人気講師が教える基礎からサーバサイド開発まで (「いちばんやさしい教本」シリーズ)
- 作者:鈴木たかのり,杉谷弥月,株式会社ビープラウド
- 発売日: 2017/08/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
いちばんやさしいPython機械学習の教本 人気講師が教える業務で役立つ実践ノウハウ
いちばんやさしいPython機械学習の教本 人気講師が教える業務で役立つ実践ノウハウ
- 作者:鈴木たかのり,降籏洋行,平井孝幸,株式会社ビープラウド
- 発売日: 2019/06/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
Pythonプロフェッショナルプログラミング 第3版
- 作者:株式会社ビープラウド
- 発売日: 2018/06/12
- メディア: 単行本
ビープラウドの新入社員のための本というコンセプトで書かれた本です。 Pythonでの開発ノウハウに重きを置いた構成です。
アプリケーション開発を行うための実務知識を網羅的に学べます。
第3版では、最近、仕事が増えてきた機械学習のプロジェクトの進め方も紹介しています。
PyQでコラボレーション問題を学習できます。
書籍中ではWebアプリケーションのサンプルとして、乗車記録アプリケーション「乗りログ」を作れます。 PyQコラボレーション問題もこの乗りログ作成の部分です。 pyq.jp
データ分析ライブラリーを用いた最適化モデルの作り方 Pythonによる問題解決シリーズ
データ分析ライブラリーを用いた 最適化モデルの作り方 (Pythonによる 問題解決シリーズ)
- 作者:斉藤 努
- 発売日: 2018/12/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
まとめ
Pythonエンジニアが読んでいる本ってどんなもの?ということで、 PyQの運営会社ビープラウドで購入されている書籍を紹介しました。気になる本はありましたか?
エンジニアが業務で活用する技術の関連や、必要とする知識が垣間見られる面白い結果になったかと思います。
年末年始でエンジニアとしてさらにレベルアップしたい方は、技術書の読書も良いのではないでしょうか。