連載:エンジニアの「プロの所作」とは?
「自分はプログラミング学習に向いていないのではないか」
「プロのエンジニアとして働いている姿が想像できない」
そんなあなたに、コードを書くスキルだけではなく、普段プロのエンジニアがどのように考えて行動しているかをお伝えする連載です。
PyQは、Python学習者のあなたが「プロとして活躍できる」ということをサービス全体の目標として、 問題の作成、システムの構築、ユーザーの質問への回答、サポートを行っています。
そのサービス運営のポリシーを、Python学習者であるあなたと共有することで、 Python学習の先に目指しているものの一つ、「プロのエンジニア」という姿が明確になり、 不安が少しでも拭えればという思いで、連載を開始しました。
こう思った時は:職場で円滑なコミュニケーションが取りたい
こう考えよう!:理解しやすい説明やポジティブな声かけを意識しよう
「相手にわかりやすく伝えるにはどう伝えたらいいのだろう」と認識することは大切です。
どんな業種でも、意見の齟齬(そご)があるまま進めてしまうと大変です。
例えばPyQの運営会社のビープラウドのようなシステムを開発する会社では、
コミュニケーションが取れていないと、以下のような問題が発生するリスクも出てきます。
- 認識が違うまま進めてしまい、修正するために大きなやり直しが必要になる
- 納期の調整や残業などが発生してしまう
できればそういった問題はなるべく避けて、仕事をしたいですよね。
チームメンバーと連携を取ってスムーズに仕事を進めるため、ビープラウドではコミュニケーションを大事にしています。
こうした理由から円滑なコミュニケーションを取るために普段の業務でも「相手が理解しやすい説明」、「ポジティブな声かけ」を意識しながら働いています。
今回はそんなビープラウドのエンジニアたちが実践して、チームの団結力UPに効果があった例を紹介します。
ビープラウドでは現在、slackによるフルリモートを実施しているためテキストコミュニケーションの話が多くなりますが、 対面のコミュニケーションにも役立つ情報もあるので、リモートワークでない方もぜひご覧ください。
PyQの運営会社ビープラウドは2015年からリモートでも働ける環境を実践しています。
補足【PyQの運営会社ビープラウドのリモートワーク】
例:BPRD2.0(BePROUD Remote Day 2.0) - ビープラウド社長のブログ
コミュニケーションに用いるツールは、Slack、Zoomなどで、主にテキストコミュニケーションやWebミーティングでコミュニケーションを取っています。最近は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、リモートワークをしている人も増えてきたので、リモート環境での作業に慣れているビープラウドがリモートワークでのコミュニケーションで意識していてよかったことを紹介します。
すぐに伝わる表現方法を
「業務における嬉しいコミュニケーション」とは何でしょうか?
多くの人は、自分の話を相手にスムーズに伝わるとうれしいと感じると思います。
自分の話したい内容がすんなりと伝わるとすぐに作業に着手できますし、説明する時間もそれほどかからないので効率的です。
聞き手側も、スムーズに伝わると質問する時間を使わないで済みます。
説明にキャプチャーした図、動画を使う
ビープラウドでは「伝わりやすい言い方」を意識して、説明にキャプチャーした図や動画を使ってやり取りしています。
状況把握しやすい情報を添付されると視覚的に理解しやすくなります。
(例)資料を貼った場合
プロの所作の件で相談です。 「深みにはまる前に、わかりやすく質問しよう」という項目があるのですが、 ここで具体的にコードを用いて解説したいと思います。 xxさんに何か良い例を考えてもらいたいと思いますが、お願いしても良いでしょうか?
URL: https://blog.pyq.jp/entry/professionalism_of_engineer_04
文字の場合資料を貼った質問に比べると、理解するのに時間がかかります。
(例)文字だけの場合
プロの所作の件で相談です。 「深みにはまる前に、わかりやすく質問しよう」という項目があるのですが、 ここで具体的にコードを用いて解説したいと思います。 xxさんに何か良い例を考えてもらいたいと思いますが、お願いしても良いでしょうか?
【やりたいこと】
- エラーが出て困ったときの具体例を書きたいです。
- できるだけ理解しやすい簡単な例で教えてください。
分類したり、箇条書き、矢印などを使用して読みやすくする
文章のみの場合でも、以下を意識することで大分読みやすいものになります。
- 分類する
- 箇条書きにする
- 矢印などを使用する
- シンプルで、一意の文章を書く
- 主語、述語、目的語をお互いが理解できるように書く
ポジティブな気持ちは積極的に伝えよう
ここまでは、スムーズな情報伝達に役立つ例を紹介しました。 仕事をする上では、ポジティブな気持ちでいた方が仕事へのモチベーションも上がりますよね。
ここからは、ポジティブな気持ちを保つための例を紹介します。
社内でポジティブな気持ちを伝えるタイミング
「この案、いい意見だな」と思った時、あなたはどんな態度を取っていますか?
もし黙っていたら、勿体ないです。
「反応がないけどどう思われているかな?なんか不安だな」と真逆の印象を抱かれないように、 以下のような場面ではポジティブな気持ちは積極的に伝えるようにしましょう。
- アドバイスをくれた時
- レビューの内容が良いと思った時
- 感謝/素敵/なんとなくよさそうだと感じた時
ポジティブな気持ちの伝え方
ビープラウドでは、Slackの「絵文字リアクション」やbotの「thx コマンド」を使ってポジティブな気持ちを表しています。
「レビュー良いと思った時」は以下のことを意識して書くと良いでしょう。
どこがよかったかのフィードバック
(例)「方向性が間違っていないとの指摘を受けて安心しました」
「どこがいいと思ったか」という感想
(例)「ここのコメントがすごく参考になりました」
またビープラウドでは、コメントをする時は「知らなくてすみません!」というネガティブな書き方よりも、「気づかせてくれてありがとう!」というポジティブな書き方をすることを推奨しています。
ポジティブな言葉がけをする方がきっとメンタル面にもよくて、みんな明るい気持ちで働けるはずです。 なので、楽しくなるような言葉を積極的に使っていきましょう。
礼節を心がけよう
ここで少し注意したいのは、コミュニケーションには礼儀も必要だということです。
楽しい言葉がけを意識した結果、無礼な振る舞いをしてしまうことになったら本末転倒です。
なので、お互い気持ちよくコミュニケーションが取れるよう、砕けていても不快にならない言葉遣いを心がけましょう
また、相手に悪気はなくても嫌な気持ちになったという時は、しこりを残さず一緒に仕事をしていくためにも やんわりと指摘しましょう。
もちろん人によって気にするポイントは異なるので、みんなが気にしない振る舞いだけをすることはできないと思います。
最低限の言葉遣いを注意し、指摘されたら素直に取り入れることさえできれば
「こういうこと言うのはよくないかな‥」と考えすぎなくても良いのではないでしょうか。
まとめ
自分もこの会社に入ってからとても働きやすくなったので、今回の話は「社内の人と円滑なコミュニケーションを取りたい」と思っている方に良い効果があると思います。
ぜひ参考にしてみてください。
前回の記事
前回のプロの所作20分考えて解らなければ、誰かに頼ろうでは、作業に息詰まったときの聞き方を紹介しました。