みなさんこんにちは!PyQスタッフnanaです。
2018年2月23日に、PyQと技術書籍のコラボレーション第二弾として 「独学プログラマー Python言語の基本から仕事のやり方まで」 とのコラボレーション問題を公開しました。
公開にあたり、監訳、翻訳に携わった清水川さんと新木さんにお話を伺います。
pyq.jp それではまず、簡単に自己紹介をお願いします。 はい(笑) 株式会社ビープラウド所属、一般社団法人PyCon JP 会計理事。オープンソースのPython製ドキュメンテーションツールSphinxのコミッター。Python mini hack-a-thonやSphinx-Users.jpの運営の1人。2003年からPythonを使い始め、国内外の多数のPythonイベントに登壇、Pythonとその関連技術の普及に努めている。最近は、公私ともにPythonを教える立場で多く活動している。 「Pythonプロフェッショナルプログラミング第2版(2015 秀和システム刊)」「Sphinxをはじめよう第2版(2017 オライリー・ジャパン刊)」「エキスパートPythonプログラミング (2010 アスキー・メディアワークス刊)」。 株式会社ビープラウド所属。大学院研究のシミュレーションモデル構築のためにPythonを利用するようになり、その後様々な用途でPythonと関わるようになった。現在は、ウェブ開発、データ分析、機械学習などに携わる。大学留学と研究でカナダ生活が長く、英語での議論の楽しさに目覚め、余暇には議論グループであるSocratesCafeTokyoの共同オーガナイザーなども務めている。
この度お二人が訳された「独学プログラマー」はどのような本ですか?読んでもらいたい人や、読む事によって得られるベネフィットを教えてください。
はい、ご紹介しておきますね。 実用性というのは、プロとして業務でプログラミングを書く為の実用性、ということなのですね。 「独学プログラマー」でお二人は監訳・翻訳と表現されていますが、どのような役割をされているのですか?日本版を翻訳する事になった経緯も教えてください。 最初の段階では、翻訳それ自体というよりは原著に書かれている内容の精査が依頼の内容だったんですね。
なるほど。その、英文から日本語への翻訳だけではない、技術的な監修を含めていることで、それが清水川さんの担当されている監訳、ということなのですね。 では、翻訳のお話を受けた時に、清水川さんから新木さんへ一緒に「独学プログラマー」を翻訳してほしいというお話があったと。 お話を持って行く相手に、新木さんをお選びになった理由というのは? 新木さんはお話を頂いた時どのように感じましたか? 「独学プログラマー」翻訳で苦労したところや気をつけたところを教えてください。 なるほど…業務の間にってことですもんね? どうやって乗り切りました? それだけ質に拘った翻訳、監訳の清水川さんとしては、満足いく出来になりましたか? 内容を精査できる技術者が翻訳するからこその、翻訳ということ。 勝手に新しい事は言わずに、内容の間違いや合ってないところを自然にしていく。難しい作業ですね。 すごい。かゆいところに手が届く。学習していく上での実用性をあげている、という事ですね。
この度、オンラインPython学習サービスPyQ(パイキュー)とのコラボということで、コラボ問題は監訳の清水川さんに、作成・提供いただきました。これはどのような問題なのですか?
本を訳して行く上で気を配っていた、参照先の翻訳であったり、より日本人向けの情報を提供しようと、そういうコンセプトにしたがってのオンライン連動という事ですね。
本の購読者にも、PyQのユーザーに対しても、価値が最大化されるような問題なんですね。 それでは最後に、PyQのユーザーや、「独学プログラマー」に興味のあるPython学習者に向けてメッセージをお願いします。 はい、まさにそうですね。 PyQの登録画面で書籍に記載しているキャンペーンコードを入力すると、三日間無料でコラボ問題を含めたPyQの問題にチャレンジできます。
詳しい操作方法は以下をご覧ください。 PyQキャンペーンコードの利用方法 — Pythonオンライン学習サービス PyQ(パイキュー)ドキュメント また、PyQの購読ユーザーはクエスト一覧よりコラボ問題を選択する事ができます。手を動かして覚えるデータ構造とアルゴリズム、ぜひ挑戦してみてください。
書籍「独学プログラマー」とはどんな本ですか?
ビープラウド所属の清水川・新木の二名が監訳・翻訳に携わった「独学プログラマー」は、独学プログラマーである著者が独学で、ゼロからプログラミングを学んだ体験に基づいて書かれました。
Pythonを通して、プログラマーとして業務に携わるための知識とノウハウを伝授する本です。(シェル、正規表現、パッケージ管理、バージョン管理、データ構造、アルゴリズム、仕事の始め方・やり方など)プログラミング初学者・初級者で職業プログラマーになりたい方におすすめします。
今回PyQとのコラボレーションとして、「データ構造」の分野から問題を提供していただいています。コラボ問題についてはこの記事の最後でも詳しくお話頂いています。書籍とあわせて使うと理解をより深められ、単品でも「データ構造」「アルゴリズム」の導入が学べる問題です。
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監訳・翻訳に携わったお二人はどんな活動をされていますか?
清水川 貴之
著書/訳書
新木 雅也
「独学プログラマー」はどのような本ですか?
ベネフィットという面では、日本語版は英語版に比べ、かなりクオリティが上がっていると思います。日本語版を読むことで得られる情報量はだいぶ増え、実用性も上がっています。
先ほどmasaya(新木さん)が言っていたように、単なるPythonの書き方の本ではなく、プログラミング初学者へ学習法や方向性を指し示す本です。では、そのような学習者が進んだ先のゴールはどこかというと、プログラマーとして働けることです。
「プログラミングで仕事をしたい」「プログラマーとして面接を受けて仕事を得てチームで仕事をしたい」そういうプロとして仕事をする事に興味のあるプログラミング学習者を対象に、独学、自分の力でプログラミングを学ぶための学習法が書かれています。なので、そう言う気持ちを持った人にはおすすめできるんじゃないかなと。
「独学プログラマー」における監訳・翻訳の役割
まず最初の仕事としてはレポートを提出して、レビューの結果適切であれば翻訳もお願いしたいと。
そこで、5つの観点でレビューをまとめました。
の5点です。
最近はPythonの入門書が多数ありますが、近いコンセプトの本は「Pythonで学ぶプログラム作法(2001年)」「初めてのプログラミング 第2版(2010年)」
の他に見当たりませんでした。
逆に、この本に掲載されているコードには粗いところがあって、そこは翻訳する上での課題だろうと感じました。
このとき、別に2冊の本を進めていたので、時間的には厳しかったんですが、類似の良書がなかったこともあって引き受けることにしました。
引き受けたからには、人にお勧めできる本にしたかったし、出版社さんからも間違いの修正や訳注での補足はしてほしいと言われていたので、気になる部分にかなり手を入れました。これで、レポート時点で課題だと感じていた内容の粗さはほぼ解消していると思います。
複数人なら一緒に経験したりモチベーションをもらったりできるかなと思って、二人でやることにしました。
翻訳という作業について。翻訳者としてどのようなところに苦労されましたか?
清水川さんの想定ではもっと高い翻訳の質を求めているんだという事に、翻訳をしはじめてから気がつきました。
なるほど、ここで止めちゃダメなんだ、もう一段階深いものを求めているんだ、という。質へのこだわりがすごかったです。
技術者だからこそできる翻訳を。本から得られる情報としての価値を高めるために意識した事。
masaya(新木さん)の話に出ていた質へのこだわり、の部分なんですが、それはそのまま私がこの本を翻訳する上で意識した点でもあって。
具体的には、技術的に間違った情報を提供しないこととか。
あとは、機械的に翻訳するだけなら、やる意味があんまりないんですよね、技術書って。技術者の人って、英語の原著を、読める人はそれなりに読んじゃう。
今は機械翻訳の精度も高いので、英語版を買って読もうと思えば読めちゃうんですよ。
あるいは、職業翻訳者が翻訳すれば、私がやるよりも何倍も早く翻訳できてしまう。
それでも私に依頼が来たということは、翻訳の速さ以外の価値を求められていると思うんです。そこで、「技術的な背景や言い回しも含めて正しい」翻訳になることを目指しました。
その上で、原著の内容は尊重しないといけない。むやみに内容を付け足したりとかしないようにしないといけないんですよ。原著に書いていないことを作文してはいけないんです。
和訳がないところは、全く同じではないけれどこの分野はここを見るといいですよ、という日本語の参照先を探してきたり、どうしても大事なところはリンク先も翻訳しました。リンク先の要点を翻訳するのをmasaya(新木さん)にやってもらったりしました。
PyQとのコラボ問題についてお伺いします。
著者の指針としては、データ構造とかアルゴリズムからプログラミング学習を始めてしまうと、つまんなくなってやめてしまう人が多いので。
まずは全体像を見ようということで著者は短くしています。でも流石にちょっと短い。なのでその補足になるような問題にしています。
23章のチャレンジ問題は、 「https://leetcode.com に登録して、簡単レベルのアルゴリズム問題を3つ解いてみよう。」なんですが、このリンク先は英語なんですよ。これはちょっと日本人がやるのはつらい。そこで、日本語に対応していて、さらにブラウザだけがあればPythonの学習環境が整うサービスであるPyQでチャレンジ問題を提供できるといいんじゃないかなと考えました。
PyQユーザー・Python独学者へのメッセージ
PyQチャレンジ問題の挑戦方法