お客様
: 石本敦夫氏 @atsuoishimoto
聞き手
: 佐藤治夫 @haru860
: 清原弘貴 @hirokiky
PEPとPython2、Python3の話
佐藤)石本さんは、どのような経緯でPEP(Python Enhancement Proposal) に関わっていったのでしょうか。
石本)ああ、いや、それはたまたまです。
清原)日本発のPEPを。
石本)Python 2の挙動で、どうしてもリストなどを print したときの挙動が気に入らなくて、Python 3が出るから直してもらおうと思って。
清原)少し解説すると、Pythonのインタプリターなどでリストや文字列を評価したときに、Python 2ってUnicodeが日本語として読めないように出力されてしまうんですよ。
Python2系
>>> u"日本語" u'\u65e5\u672c\u8a9e' >>> print(u"日本語") 日本語 >>> print([u"日本語"]) [u'\u65e5\u672c\u8a9e']
Python3系
>>> "日本語" '日本語' >>> print("日本語") 日本語 >>> print(["日本語"]) ['日本語']
清原)日本語が読めないのを日本語で読めるように表示したり、Unicodeでやりましょうと提案したのが、石本さん。
佐藤)えー、そうなんですか。
清原)僕、かなりこれすごいと思ってて。
石本)そう、あれはやはり日本語使ってて、とにかく一番困る。
佐藤)それはいつごろですか。
石本)何年だ。2008年かな。
佐藤)もうその頃はPython 3000とか言ってたんですよね。
石本)Python 3用にさきほどのPEPが入ったんで、そのPython 3000のすこし前。リリースの1~2年前ぐらいですね。

佐藤)Python 3000ってなぜ3000だったんですか
石本)Python 2のときにPython 2000とかってジョークで言ってたという背景があって、ではそこから次のバージョンはPython 3000だねっていう。
佐藤)そのあと石本さんはPEPを出したりとかはしたんですか?
石本)あまりしてないですね。
清原)では、積極的に狙ってるわけじゃないんですね、PEP Author みたいな。
石本)そうね。あとはたまにちょっとバグリスト見て、引っ掛かったのがあったらバッチ出したりとかはある、ぐらいかな。
→ 次回は、 Python自体にコントリビューションするには? です。
目次
- 【目次】石本敦夫氏に聞く、Pythonの歴史とこれから
- 【その1】Python Japanをはじめたきっかけ
- 【その2】Pythonをはじめたきっかけ
- 【その3】Pythonがなぜデータ分野で強いのか?の真実
- 【その4】PEPとPython2、Python3の話
- 【その5】Python自体にコントリビューションするには?
- 【その6】強みを掘り下げていこう
- 【その7】プログラミングは独学で覚えられる「コスパの良い」技術
PyQオフィシャルブログでは『Pythonエンジニア列伝』を不定期掲載します。Pythonに関わっているさまざまな人にインタビューし、これからプログラミングを学習する方にエンジニアが普段考えていることや取り組んでいる活動などを紹介していきます。
(まとめ:大村亀子 @okusama27)