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「どのようにPythonに特化したサービスが生まれたのか」弊社代表にPyQ開発エピソードを聞きました

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こんにちは。PyQマーケティングチームのkenkenです。

これまでのブログ記事では、PyQ開発チームで開発の初期メンバーにPyQ制作秘話を聞いてきました。

今回は、PyQを運営するビープラウドのリーダーであり、PyQ開発にも携わるharuさんにPyQの開発した当時のお話を聞いてみました。

インタビュイーの紹介

佐藤治夫(@haru860)

株式会社ビープラウドの代表取締役社長
PyQの企画・開発に当初から携わる。
PyCon JP 2015、PyCon mini Hiroshima 2018 のキーノートスピーカーを担当。
IT勉強会BPStudyを2007年から主催し、毎月1回ずつ開催を続けている。

PyQの企画が出るまでの話

haruさん目線でどのようにPyQの企画が誕生したのか、経緯を教えてください

haru 2015年の夏に、あるビジネス系の勉強会に参加していた時に「システム開発をWebで手を動かしながら学べるサービスをつくれたらよいのではないか」とひらめきました。 当時の役員のshinに話してみたところ、よさそうだということでそのまま進めることになりました。そのあと、社内で誰が開発するかということを考えました。
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新規事業の着想を得てトントン拍子に開発段階まで進んでいったのですね。 現在のエンジニアメンバーのkyさんとkamekoさんも企画案が出た時にアサインされたんですか?

haru 当時、kamekoが入社したばかりでした。採用面談で「自分の子どもに『あれは私がつくった』といえるようなものを作りたい」と話していました。また、入社してから担当していた開発案件で主体的に動いているのを見ていたので、新サービス開発でも主体的に動いてもらえそうだと思い、担当してもらうことに決めました。 そして、2015年の秋からプロトタイプの開発に着手してもらいました。

もうひとりのhirokikyですが、hirokikyは当時から個人でサービスを開発していました。当時は大手新聞社の開発コンサルティング案件を担当していましたが、キリの良いタイミングで新規サービスの開発に入ってもらうことにしました。それが2016年4月です。

2016年4月に、2人が揃ったタイミングで、あらためてサービスの企画から始めました。ここでPyQの企画ができあがりました。

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そこからPyQの基礎ができあがったんですね!

サービスをリリースするまでの話

「ブラウザーだけでPython学習ができるサービスを開発しよう」というアイデアはどのように生まれましたか?

haru hirokiky,kameko, shin, haruの4人で匠Methodを使って企画をしていくなかで「ブラウザーでプログラミングを学べるサービス」というところにたどり着きました。しかし、Pythonでというところは最後に決まりました。
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匠Method

新たなサービスを企画する時に使う手法です。プロジェクトの目的や価値を見失わずにプロジェクトを推進できるよう、業務メンバーで「必要な価値」をデザインすることで、組織が団結できるための戦略を練ることができます。 具体的には匠Methodの手法の1つ「価値創造サイクル」により、「メンバー間のコミュニケーション不全」、「アイデア倒れ・絵に描いた餅」、「リーダ不在・マネジメント不徹底」というよくある課題を解決し、ビジネス価値を獲得するための企画を作成できます。 URL:http://www.takumi-businessplace.co.jp/takumi-method/

PyQの開発会社であるビープラウドは、10年以上Pythonを主言語に据えて開発していますよね。ノウハウもあるのになぜPythonと決定するまでに時間がかかったのですか?

haru Pythonは2016年4月当時では、人気の出始めという段階で、サービスを出しても市場が狭いのではないかという懸念があったからです。

そのときに「ストーリーとしての競争戦略」という書籍をチームで読みました。その書籍の中でクリティカルコア(Critical Core)という概念が登場します。 クリティカルコアとは戦略ストーリーの一貫性の基盤となり、持続的な競争優位の源泉となる中核的な要素です。
その観点で見ると、今ほど人気のなかったPythonだけに絞ったオンラインサービスをリリースすることは一見非合理でも、会社としては合理性を持っていると感じます。長年取り組んできたことにより蓄積したPythonの実務的な知見を伝えることは、単なるオンライン学習サービスという枠に止まらない戦略要素なのではないかと考えました。そうしてPythonを中心としたサービスを作ろうということに決まりました。

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クリティカルコア(Critical Core)

楠木建さんの「ストーリーとしての競争戦略」の中に出てくるワードです。 それだけを見ると一見非合理(競争相⼿にとって⾮合理に考えられるため模倣する動機がなくなる)でも、ストーリー全体の文脈に位置付けると合理性を持つ戦略要素です。

「Pythonに特化したサービスが受け入れられるか」と考えることに時間が必要だったんですね。それではサービスをリリースするまでに印象的だったエピソードはありますか?

haru サービスを企画してから、リリースの2017年4月までの期間は特に印象に残っています。
チームの全員が、Webサービス事業の企画から開発の経験が少ないメンバーだったので、何をするにもチームで学びながら進むという感じでした。

企画が固まってから半年後のPyCon JPでβ版を発表して、反応、フィードバックをもらおうということを目標に開発を進めました。
どのようなユーザー体験をしてもらうのか、どのように学んでもらうのか、どのような問題で構成するのか、などたびたび議論になりました。 産みの苦しみの中で、チームメンバーも苦しそうだったのを憶えています。

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PyCon JP

PyConは、世界各地でPythonやPythonを使ったソフトウェアについて情報交換し、交流するためのカンファレンスにつけられる名称です。 PyCon JPは日本で開催されるPyConです。国内外のPythonユーザーの情報交換の場として2011年より継続して開催されています。 URL:https://www.pycon.jp/index.html

その結果、どうなりましたか?

haru

2016年のPyCon JPでβ版を発表したところ、100名以上に参加してもらって、反響が大きくチームでも驚きました。

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PyCon JPで反応がよかったので自信を持ってリリースできたんですね。

haru いえ、β版で反応がよかったからといって、本リリースしたあとに成功するとは限りません。
翌年4月の研修シーズンのリリースに向けてさらに、開発をすすめました。 そして、2017年4月を迎え、ランディングページ(LP)も出来上がりWebにページを出していました。

その時はまだサービスをリリースするとの発表はしていなかったのですが、突然、購入してくれたユーザーがいました。
お金を払ってくれた1人目のユーザーを出会えたときはうれしかったです。

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努力が報われた瞬間ですね!当時のPyQメンバーの喜んだ顔が目に浮かびます。

運用後に感じたこと

ではサービスを開発し、ここまで運用してみて感じていることは?

haru

ゼロからサービスを企画・開発し、それを世の中の方々に使っていただき、価値を創っていく仕事はクリエイティブで、やりがいのある仕事だと思います。
ただ、そこには産みの苦しみも伴いますし、本当に売れるのかという不安も消えることはありません。ユーザーが増えれば責任も発生し、楽しいことだけではありません。メンバーはそこをよく乗り越えてくれたと思います。

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PyQの企画した時の話から運用するまでの話を聞かせてくれてありがとうございました。最後にPyQ利用者に一言お願いします。

haru PyQは、日々地道にサービス改善に取り組んでいます。 是非、PyQを使ってプログラミング、Pythonを学び、仕事などに役立てていただければと思います。

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