Pythonエンジニア列伝は、「Pythonエンジニアたちのインタビューを通して、Pythonを使う人達がどんな人なのか、どんな場面で活用しているのか、なぜPythonに出会ったかなどを紐解く」連載です。 連載はトピックごとになっているので記事単体でも読むことができます。この記事はPythonエンジニア列伝第5回の1記事目です
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ご挨拶
もう一度インタビューの趣旨を説明させていただくと、さまざまなエンジニアの方々のキャリアや経歴、活動にスポットを当てることで「エンジニア」という人種にどのような人がいるのか知っていただくのが目的です。
同時に、今後の進路について考えている人の参考となるだけでなくアクションを起こせるぐらいの内容を提供できればと思っています。
研究員とプログラミングの関係性
現在はモデルを使った全国規模の微量温室効果ガス排出量推定が主な仕事です。
薬を使う前の段階、食や環境など、より広い観点からの健康作りに貢献したいという思いが今の研究員としての出発点です。現在はモデリングの仕事がメインですが、学生時代は現場(田畑や森林)に出て作業していました。今でも現場作業は大好きで、土への愛は忘れていません。
はじめ仕事で扱うデータ量は畑一枚程度*1の圃場(ほじょう)を計測するだけでしたが、次第にそれが全国区のデータを扱うことになりました。
データ量が膨大になってくるとExcelでの手計算がきつく感じてきたこともあって、Pythonを使うようになりましたね。
その中でPythonを学ぶことにしたのは、以前、Natureにも論文を投稿しているスーパー研究者がPythonを使っているという話を聞いていたからです。そのとき「Python覚えてればその人と一緒に仕事できるかも!」と思って(笑)。
ミーハー心から始まりましたが、C++が全くわからない!と感じていた私でもPythonはすんなり学習し始められましたし、結果としては非常に良い選択だったなと思います。
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NumPy
Pythonで、数値計算を効率的に行うためのライブラリです。効率的な数値計算を行うため、ベクトルや行列などを表現できる型付きの多次元配列のサポートをPythonに加えるとともに、それらを操作するための数学関数ライブラリが提供されています。
pandas
Pythonでデータ解析を支援する、オープンソースライブラリです。表やテーブル、時系列データなどを操作するためのデータ構造と、それらを扱うメソッド・関数などが提供されています。
URL:https://pandas.pydata.org/
Matplotlib
Pythonでグラフを描画するためのライブラリです。
農業系研究分野での使用技術について
「メッシュ農業気象データ」
気象情報が農業現場で有効に活用されることを目指して、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が開発・運用する気象データサービスシステムです。全国の日別気象データを、約1km四方(基準地域メッシュ)を単位にオンデマンドで提供することができます。(リンク先公式ページより)
また、学術系のユーザーが多い故に、最新の統計アルゴリズムはRの方が早く実装されるという事もあります。研究分野が違うとメジャーな使用ツールは異なってくるので、私個人としてもPythonの普及度合いは把握しきれてないところもあります。周辺分野に地味に普及活動をして、需要に合う研究者に知って貰えたらいいと思います。
次回の内容
その2は、共著である「PythonユーザのためのJupyter[実践]入門」についてお伺いしています。
*1:※畑一枚は日本(北海道を除く)では~数ヘクタール(1ヘクタール=10,000平方メートル)