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PythonAsia 2026 参加レポート|参加し、発表したshimizukawaさんに、発表内容や現地の様子についてインタビューしました

PythonAsia 2026 参加レポート

2026年3月21日(土)〜23日(月)の3日間にわたり「PythonAsia 2026」が開催されました。 イベントに参加し、トークで発表した清水川 貴之(shimizukawa)さんにお聞きした、発表内容や現地の様子について紹介します。

PythonAsia 2026はどんなイベント?

PythonAsia 2026は「Python Asia Organization(PAO)」 が主催するアジア地域のPythonカンファレンスです。
昨年まで開催されていたPyCon APACの後継にあたるイベントで、今年が初回開催となります。

2026年3月21日(土)、22日(日)に、フィリピン・マニラのDe La Salle University(DLSU)で開催され、23日(月)には同会場で開発スプリントも実施されました。

2026.pythonasia.org

日程は以下の3日間です。

  • 3月21日(土)DAY1 トーク
  • 3月22日(日)DAY2 トーク
  • 3月23日(月)DAY3 スプリント

キーノートは2日間で3本あり、1本目はコミュニティ構築、2本目はローカルLLMの文化的配慮に関する技術的課題、3本目は新しいWebフレームワーク「Air」の紹介がテーマでした。

一般のトークでは、圧縮アルゴリズムゲームライブラリDBの自作育児とZen of Pythonなど、バラエティ豊かな内容が扱われていました。
日本からも7名ほどのスピーカーが登壇しており、どのセッションでも会場のどこかに日本人がいるような状況でした。

PythonAsia 2026 オープニング キーノートの様子「Webフレームワーク「Air」の紹介」

イベントへの参加理由や費用について教えてください。

参加した理由について

私は継続的に海外PyConに参加を続けています。
アジア各国すべてのPyConに参加するのは時間的・費用的に難しいですが、年1回のアジア地域版であれば参加できるため、毎年参加したいと考えています。

また、参加するからにはトークも行いたいと思いプロポーザルを提出し、採択されたためスピーカーとして参加しました。

参加にかかる費用について

海外カンファレンス参加はハードルが高く感じるかもしれません。
費用が一番の問題であれば、いくつか工夫できると思います。
今回の費用はおおよそ以下のとおりです。

  • 渡航費:往復でおおよそ5〜6万円くらい
  • 宿泊費:3泊で1.7〜2万円くらい(場所やホテル次第で変わります)
  • チケット代:スピーカーのため無料

継続的な参加のためにFinancial Aid(旅費補助)の制度も活用しています。 今回はFinancial Aidにより、渡航費の約7割を補助していただきました。

Financial Aidと海外カンファレンスへの参加について

Financial Aidは、費用負担が原因で参加できない人に対する費用補助制度で、今回のイベントでは国内外を問わず申請でき、現地参加者も含めて利用されています。

イベント主催者の立場で考えると、より多くの人に参加してもらいたいでしょうから、予算が潤沢にあれば希望者全員に補助したいのではないかと思います。

しかし、実際には予算に限りがあるため、予算内でどのような人に参加してほしいのかを考え、申請内容をもとに優先度がつけられ、採択が行われます。
このため、全員が補助を受けられるわけではなく、申請内容や予算状況によって補助の有無や金額が決まります。

今回私は、スピーカーとして採択していただいたこともあり、優先度はある程度高かったのではないかと思います。
その代わりに誰かが補助を受けられなかった可能性は忘れないようにしたい と思っています。
他の誰かの分の予算を使い切ってしまわないよう、できるだけ旅費を抑えるために、
LCC(格安航空会社)を利用したり、自分のおサイフと相談してどこまで負担できるかを検討したうえで申請しています。

イベント主催者としては、スピーカーであれ一般参加者であれ、海外からの参加者はありがたい存在だと思います。
なぜなら、現地の参加者がわざわざ海外に行かなくても、海外の人と接点を持ち新しい視点を手に入れられる良い機会になるためです。

また、海外参加者はそのイベントや現地であったことを持ち帰って広めてくれる可能性があります。
来てもらえなかったら、それらの可能性はゼロになってしまいます。

このため、スピーカーでなくてもFinancial Aidを申請して、どんどん海外など遠方のイベントに参加して、たくさん交流して、そしてそこでの体験を持ち帰って広められれば、参加した本人も、イベント運営者も、現地参加者も、お互いに良い体験になって、また次のイベント開催に繋がっていく良い循環が生まれると思います。

発表した内容について教えてください。

Creating Presentation Slides with the Retro Game Engine Pyxel

トークでは、Pythonのレトロゲームエンジンの「Pyxel」を使い、プレゼンテーションスライドを作成する方法を紹介しました。 

Markdownでスライドを作るツールはいくつかありますが、Pyxelで作られた、レトロな雰囲気のピクセルアートが動くスライドというのは独特の見た目で、楽しく紹介できたと感じています。
トーク後にはいくつか質問があり、「Pyxelはどのプラットフォームで動くのか」といった内容が挙がりました。

また、スライド内に「技術の無駄遣い」というワードを入れ、それも大事だよというメッセージを込めていたのですが、質疑応答では「これは無駄遣いではなく創作活動だと思います」というコメントをいただきました。そのように受け取ってもらえたことが嬉しく、印象に残っています。

day2 shimizukawa トークの様子

イベントの見どころはどこでしたか?

キーノートの「Jay Millerさん」のトークが印象的でした。

2009年にフィリピンに住んでいた頃の体験(Yellow CABのピザ、ジョリビーのチキン、スムージー、床屋!)から始まる話で、現地に住んでいる人なら思わず「あるある」ネタもあり、私自身も一時期フィリピンに住んでいたので、とても面白く聞いていました。
 
そこからコミュニティ形成の話に進み、その秘訣として「予定外の誰かとランチしよう」「ライトニングトークに登壇しよう」「パックマンルールで輪を広げよう」を紹介してくれました。全体的にとても面白く、引き込まれる話でした。

Jay Millerさんのトークの様子

また、日本人スピーカーの発表も多彩でした。

  • Yu Saito さん
    • Python 3.14から標準ライブラリに入る圧縮ライブラリZStandardを紹介。CPythonの実装に踏み込んだ解説で、ログ圧縮コストを2〜3分の1に削減できた事例も印象的でした。
  • whitphx さん
    • OSSライブラリの開発・リリースワークフローの話では、CIのシークレット管理の手法が「それ良い!」と思うTipsで、とても参考になりました。
  • Anahara さん
    • AIを活用したLintツールの話
  • kamijo さん
    • PythonでRDBMSを自作する話

など、いずれも面白く、印象的な発表でした。

イベントで印象に残ったことや思い出はありますか?

DAY0(前日)の夜、参加者有志でビアパブ「Tap Station」に行ったことが印象に残っています。

フィリピン在住時に週末によく訪れていた場所であり、久しぶりに訪れることができて感慨深い時間となりました。 現地で合流した日本・台湾・香港チームと翌日に向けて英気を養いつつワイワイ楽しみました。

参加してみた感想や抱負

フィリピンで開催されるPyCon系イベントに3年連続で参加できたことを、とても嬉しく感じています。
1年目は「フィリピンに住んでいたから」、2年目は「PyCon APACだったから」、そして3年目は「PythonAsiaだったから」と動機は異なりつつも毎回スピーカーとして採択していただき、旅費補助も受けながら継続できています。 

英語でのトークについては、今回はスクリプトなしで発表するという目標を達成できましたが、文法や語彙、表現力の面では、その場で伝えられないもどかしさがあり、まだまだ課題を感じています。
次の機会では、よりスムーズに伝えられるようになりたいです。

来年の開催地は未定ですが、行ったことのない国で開催されることを期待しています。 
いずれにしても、引き続きプロポーザルを提出し参加したいと考えています。
まずは8月開催予定のPyCon JP 2026に向けて、トークプロポーザルのネタ準備を進めていきます。

JPチーム集合写真

まとめ

PythonAsia 2026は、技術だけでなくコミュニティや文化も含めて学び合えるイベントであることが伝わってきました。

清水川さんの発表や取り組みからは、技術を楽しむ姿勢や継続的にアウトプットする大切さが感じられます。
また、海外カンファレンスへの参加も、工夫次第で現実的な選択肢になることが印象的でした。

国外のPythonistaとコミュニケーションを取れる貴重な機会でもありますので、気になる方はぜひ次回参加してみてはいかがでしょうか。

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