やったことをどんどんアウトプットしていこう。アウトプットしないとツッコミが入らない。『わからない』ということをブログに書いていく。最後は理解できて、自分の技術の記録になる。
Pythonエンジニア列伝 Vol.1 - 後編 清水川貴之(シミズカワタカユキ)氏
第一回目は、株式会社ビープラウド所属の清水川貴之氏をお招きました。 Sphinx*1コミッターであり、一般社団法人PyCon JP 会計理事を担当されています。
今回は後編です。
Pythonコミュニティの文化の良いところを教えてください
Pythonに限らず沢山コミュニティがありますが、プログラミング言語に関係なく、自分に合うコミュニティかどうか、というのはありますね。
自分にとってPyCon JPというコミュニティの存在は大きいです。スタッフをやっているとコミュニティについて1年間考え続けるし、視野も広がります。どの言語のコミュニティが良いかよりも、そこにいる人と良い関係を築けるか次第ですね。
将来考えていることはありますか?
本の翻訳をやっていきたいですね。あと、Sphinxの開発ですね。Sphinxでドキュメントを書いている時に、こういった機能が欲しい、と思ったことをメモしています。そのメモに書いたものを実装したいと考えています。
仕事でもドキュメント周りの作業を楽にする方法などを実践していきたいと思っています。あとは、PyData関連の勉強も継続していきます。
これからPythonをはじめる人へのアドバイスはありますか?
ダメでも当たり前なのでどんどんやっていく。100やって1が当たるのを10年やっていると10当たっている。10年で10当てたら大したものですよね。ダメだと思ったことも何年か後に他のこととくっついて当たったりもします。
自分はアウトプットを積極的にするようにしています。アウトプットしないと、自分が考えていることが本当はダメな場合にも外部からツッコミが入らず、やったことが無駄になったりします。やっていることが人に伝わると、チャンスが生まれます。
自分のアウトプットスタイルはなんでも書くことですね。
- わからないことをブログに書く
- 徐々にわかっていく
- ツッコミをいただく
- 最後は理解できて、自分の技術学習の記録になる
自分のブログにPythonパッケージングのことを書いていたら、小田切さん: @aodagもそれを読んでいてお互いに徐々に理解していきました*2。どんな入り口の情報でも読者がいて、読者からのフィードバックはたまにあって、それをきっかけに横のつながりが出来ていきますね。
Twitterでもなんでもいいんで、種を蒔くのが大事です。 自分は、最近はイベントに出たら全部ブログに書くようにしています。結構読んでくれる人がいて嬉しいです。妻に書かないならイベントに行っちゃダメと言われたのもありますね。行きたいから書く。 調べたこともアウトプットしないと忘れちゃうんで、インプットしてアウトプットするのが大事ですね。しょっちゅう書いていると書くのが苦ではなくなります。完璧なものをアウトプットしようと考えると何もアウトプットできなくなります。 1日10分でも書く。やらないと進まない。土日にまとめてやろうとすると進まないです。ダルくても10分だけやろう、と始めればあっという間に1時間経っていたりします。
PyQについてどう思いますか?
私は自社のPython研修で講師をやる時に利用しています。受講生がその時間に終わらなくても自宅で調べながら自学自習できるのが良いですね。ペースが受講生ごとに異なるのをPyQで吸収できました。受講生が家に帰ってから復習していて疑問が湧いた時に、今までは聞けないで終わってしまっていたのが、家でも解説を読める。環境を自宅で構築しなくても学習が続けられるのが良いですね。最初はPyQを研修に取り入れたらどうなるかなと不安もありましたが、今は必須のツールになりました。
PyQへの要望としてはクエストエディタが欲しいです。好きな問題を自分で作って、みんなにやってもらえるようにしたい。色んな問題を作りたい。
最後になにか、これから学習をはじめる方に一言おねがいします。
若い人はすごいのに自分は・・・という人がいますよね。若者は前世代が作った知の高速道路を通るのでとても優秀に見えますが、高速道路もそのうち終点になって、その後は自分で開拓していかないといけない。それまで不要だったコンピュータの内部の知識やネットワークの知識などが突然必要になります。若いときから高速道路がない中で開拓して少しずつ進んでいた我々にもアドバンテージはあります。自分のペースでコツコツやっていけばいいと思います。
これからもアウトプットしていこうと思います。
楽しいお話を色々ありがとうございました!普段、結構できない話が聞けました。 清水川さん、来てくれてありがとう!!
こちらこそ、まとめて話すの楽しかったです。ありがとう!
PyQオフィシャルブログでは『Pythonエンジニア列伝』を不定期掲載します。Pythonに関わっているさまざまな人にインタビューし、これからプログラミングを学習する方にエンジニアが普段考えていることややっている活動などを紹介していきます。
(聞き手:佐藤治夫: @haru860、清原弘貴: @hirokiky / 執筆:大村亀子: @okusama27)
*1:多くのPython関連のドキュメントの作成に使われているどドキュメント作成ツール。PyQのドキュメントもSphinx製です。
*2:小田切さんは毎年PyCon JPでパッケージングのことを発表しています