id:hirokiky です。
Pythonの elif
はなぜ必要?
こんなご質問をいくつかPyQサポートにいただきました。
ifをならべても、elifを使っても同じではないですか? 用途や違いを知りたいです。
たしかにそんな気はしますね。
ですが elif
も活躍する場面があります。実際のプログラムと、 elif
が無い場合の苦労をご紹介できればと思います。
elifの必要なプログラム
FizzBuzzというゲームをプログラムしてみましょう。
FizzBuzzについて
最初のプレイヤーは「1」と数字を発言する。次のプレイヤーは直前のプレイヤーの次の数字を発言していく。 ただし、3で割り切れる場合は「Fizz」(Bizz Buzzの場合は「Bizz」)、 5で割り切れる場合は「Buzz」、 両者で割り切れる場合(すなわち15で割り切れる場合)は「Fizz Buzz」(Bizz Buzzの場合は「Bizz Buzz」)を 数の代わりに発言しなければならない。
https://ja.wikipedia.org/wiki/Fizz_Buzz
この「数字を判定して適切に発言するプログラム」を書くと以下のようになります。
num
に答えが必要な数字を入れて動かしてみてください。
num = 15 if num % 15 == 0: # 15で割り切れるかどうかを判定しています。 print("FizzBuzz") elif num % 5 == 0: print("Buzz") elif num % 3 == 0: print("Fizz") else: print(num)
FizzBuzzの判定をする条件を日本語で書くとこうなります。
- 15で割り切れるか? => FizzBuzz
- そうでないとき5で割り切れるか? => Buzz
- そうでないとき3で割り切れるか? => Fizz
- そうでないとき => 数字
と条件が続いていきます。
「そうでないとき〜」と続くのが elif
の特徴です。
elif
を使うのは、「前までの条件を引き継いで条件を書きたいとき」です。
elifが無くて条件が複雑になる場合
例えば下に elif
を消した if
だけのプログラムを書いてみました。
このプログラムは期待した動作をしません。
数字が15の場合などに「FizzBuzz」、「Buzz」、「Fizz」と3つ答えが表示されてしまいます。
num = 15 if num % 15 == 0: # 15で割り切れるかどうかを判定しています。 print("FizzBuzz") if num % 5 == 0: print("Buzz") if num % 3 == 0: print("Fizz")
理由は、15という数字が15でも5でも3でも割り切れるからです。なのでFizzBuzz、Buzz、Fizzの3つ表示されてしまいます。
elif
の「15で割り切れないとき 、5で割り切れるか?」のような、前の条件を引き継いだ条件が書けないのでこうなっています。
elif
なしでも正しく動作するよう頑張って書くとこのように複雑になります
(このプログラムで100%あっているかどうか自信がないほどに複雑ですね)。
if num % 15 == 0: # 15で割り切れるかどうかを判定しています。 print("FizzBuzz") if num % 15 != 0 and num % 5 == 0: print("Buzz") if num % 15 != 0 and num % 3 == 0: print("Fizz") if num % 5 != 0 and num % 3 != 0: print(num)
elifは前の条件を引き継いだ条件が書ける
このように elif
がないと、 前の条件を引き継いだ条件 を続けて書くのが難しくなるので elif
はプログラムに必要です。
「elif
なければプログラムが成り立たない」というわけではないですが、かなり複雑になってしまいます。
いかがでしょうか。
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